二次創作小説

スポンサーリンク
空を飛ぶ程度の――

第一話 慣れない

博麗霊夢は、現し世にどうしても慣れない。 高校の入学式、周囲にきゃぴきゃぴと萌える若さの中で何とはなしに窮屈な感を覚える。自分もあれらと年は同じであるはずなのに、何かおかしいのだよな、と首をかしげながら。 そして、紫檀の髪に乗っかった、友達...
空を飛ぶ程度の――

空を飛ぶ程度の――・目次

インフィニット・ストラトスと東方Projectのクロスオーバー二次創作作品。 たった一人、IS学園に入学することになった博霊霊夢さん。ハイスピード学園バトルラブコメに付いていく気もない彼女は自分勝手に意見して皆を惹きつけていきます。 きっと彼女のおかげで皆は少しだけ自由になるのでしょう。 ――しかし幻想は楽園は、果たしてどこに?
それでも私は走る

何を愛したら

皐月賞のその日、サイレンススズカはトレーナー、そしてチームの皆に連れられて応援に来ていた。あまりの歓声に一時耳を畳みながら、彼女は彼女を思う。 その応援相手は当然我らがチームスピカにおける新星、スペシャルウィーク。奇しくも同室の、輝かんばか...
それでも私は走る

おはよう

開始記号はさり気なく。 歓声に紛れた合図。それを敏に察せたのは、誰よりそれを待ち望んでいたからか。 連符の付いた彼女の耳は、響きを感じて全身を発奮させる。 「っ!」 つまり開いたゲートをドンピシャで察した――――。青の空の下、踏み出した彼女...
それでも私は走る

貴女には私が

最も速い。それは、多くの競走者が望む称号。心より一番を望むなら、決して避けてはいけない夢。 しかし距離の適性に調子や年齢、そしてウマソウルの加護の度合い等、一律に速さというものを決めるのは中々に難しいことである。 だが、クラシックには最も速...
それでも私は走る

命をかける価値

可愛らしいものは、大なり小なり好かれるもの。 だからウマ娘全体が愛らしい見目、整った顔に心をしているのは、きっと偶然ではない。 種族特性ともされる優しさや美しさは、端から彼女らが愛されるべきであると神が丹念に捏ね創ったからではないか。そうま...
それでも私は走る

勝利は彼女のもの

レースにおいて一位でなければそれは敗北と同義。 手と手を繋いでゴールなんていうお遊戯のようなことは出来ない真剣だからこそ、勝敗には強い意味合いが出るものだ。 とはいえ、別段上位に価値がないという訳でもない。 重賞で十着、そうでなくても八着以...
それでも私は走る

勝つよ

たとえ彼女が心に鉛のような重みを感じ続けていたとしても、時計は勝手にぐるりと廻る。 今日も銀色目覚まし時計は、毎日欠かさず朝に騒ぐ。起きなさいと、まるで命へと急かすように。 「ん……起きないと」 細く靭やかな指先が優しくボタンを押して、ジリ...
それでも私は走る

一番になりたい

話は、少し前から遡る。 それは、彼女がはじめて登校したその朝から。 彼女は見定めるかのように、彼女を見つめていた。 どの学校だろうと転入生というのは話題になりやすいもの。 それがまた、ある種実力主義のトレセン学園での転入生であるならば、尚の...
それでも私は走る

お前ん家、デストロイヤー

「こりゃあ、ゴルシちゃん大ピンチって奴だぜ……」 その日、ゴールドシップは焦っていた。 それには勿論、来年のカレンダーの日付に星印を付け忘れたことや、マックイーンに対して高カロリーしりとりをけしかけ損ねたことは関係ない。 ましてやさっき、一...
スポンサーリンク