博麗咲夜、十六夜霊夢

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博麗咲夜、十六夜霊夢

あたいったら悪い女ねっ

氷精チルノは、元々野良妖精である。だがしかし、今は半分くらいは紅魔館のメイドとして暮らして生きていた。当の本人は、特にその生活の変遷については気にしていないし、それ以前に理由もどうしてそうしたいのかすら忘却の彼方である。そんなお馬鹿で永遠の...
博麗咲夜、十六夜霊夢

どうしようもないから

博麗咲夜は人里にて【完璧で瀟洒な巫女】と呼ばれる。それは、どこぞの大店の主人が任せた妖怪退治を彼女が完璧に熟したから喧伝されるようになったものだ。妻の敵を取ってくれ。最初は里人の平穏のためと述べていたそんな彼の本音を聞き、巫女としてそれこそ...
博麗咲夜、十六夜霊夢

私の全て

紅魔館には、小悪魔が居る。それは俗に言う「小悪魔的存在」ではなく本物の悪魔のリトルバージョン。彼女は悪魔らしくたちの悪い不条理であり、大体において聖なるものを犯したがるなんて癖を持つのがまたどうしようもない。よく絡まれる霊夢は普通にカミサマ...
博麗咲夜、十六夜霊夢

犬と狐

博麗咲夜は、犬と狐が違う生き物であるとは知っていた。だが、それだけ。幼い頃には互いの根本が異なるわけでなければむしろ親しい存在であると錯覚すらしていて。「咲夜……私はお前の無能が殺してやりたいくらいに憎いよ」「そう……ごめんなさい」「はぁ。...
博麗咲夜、十六夜霊夢

ぎゃおー

十六夜霊夢には、天敵が居る。それは地下深くを根城としていて、何もかもを台無しにしてしまう気性の荒さを持っている上に、ずる賢い。なるほどそれだけを取ればパチュリーが蛇蝎のごとくに嫌うネズミ――羊皮紙を食む――を指しているようであるが、実際それ...
博麗咲夜、十六夜霊夢

もう、死んでもいい

実は、博麗咲夜が時間を操る程の能力を持っていることを知っている者は数少ない。理由として大きいのは、彼女が能力を自身の生命線として仔細を語りたがらないため。故に、敵対するものどころか身内の間でも咲夜には瞬間移動を可能とする力がある程度に思われ...
博麗咲夜、十六夜霊夢

蚊の一種ではない

「またこの結界って奴、ちょっと弄られてるわね……ま、これくらいなら通れそうだけど」空中に確かな隔たりを指先で感じながら、霊夢はそう呟く。引っ掻いたところで凹みもしないそれは膜と言うよりも、見えない壁。明らかに、そこにはここから通さないという...
博麗咲夜、十六夜霊夢

陰陽玉

博麗咲夜には、確かに母がいた。産みの母は直ぐに手も縁も離されたがために朧であるが、先代の巫女として最期まで立派に務めを果たしていた、そんな育ての母は間違いなく存在したのだ。彼女は線の細い人だったと、咲夜は亡くした今になってよく思い出す。装備...
博麗咲夜、十六夜霊夢

最高段

「わー、あははっ」「きゃー!」「はぁ……うっさいわねえ」ホワイトブリムをてっぺんに載せているばかりの稚すぎる少女らの職務放棄な稚気の発声に、柳眉を寄せているのはまた少女。頑張らない奴らを見下げる白黒な彼女の手もまた、しかしおなざりだ。しかし...
博麗咲夜、十六夜霊夢

月と星

紅の空に光の軌跡が眩く続く。断続は瞬間を次第に忘れて、威力は加減を損ねて飽和し壊滅的。そんな天上には舞い踊る悪魔の蝶。その眼下に世界を区切る紅白の犬。本来とは異なる世界に紡がれたのは、こんな一言。「……あり得ない」止まった時の中において、少...
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