霧雨魔梨沙の幻想郷 第四十四話 さて、春夏秋冬の花々が一斉に咲いた、此度の異変は魔梨沙の活躍により終焉した。 ただの体当たり。痛み一つない抱擁、優しき愛なんかで墜ちてしまった幽香は照れてしまったのか随分と少女の隣に居辛そうにしていたが、開き直ってからはむしろべったり。 「... 2024.11.15 霧雨魔梨沙の幻想郷
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった 第二十七話 私に降って 人はかすがいを増やすことで安堵する生き物である。 友達家族に、上司に部下に好きな相手に嫌いな相手。または先生など。 そのような比較対象を近場に置くことで確かに地に足を付けて歩めるのが人間という存在。 生半可に切ったところで付いてくる、ありと... 2024.10.13 霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった 第二十六話 消えずに燃えて 歴史とは足跡であり、それを失くした者に信頼などそう得られるものではない。 そんなのは、上白沢慧音は新しく歴史を始めてからこの方ずっと痛感していたことだ。 だからこそ、これからを歩み続けなければならないのだけれども、彼女は凍える今夜を人知れず... 2024.09.14 霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった 第二十五話 貴女のために 妖怪とは、陰陽思想で言うところの陰である。 そして、陽の存在に人間を当てはめるとするならば、幻想郷は果たして外の世界よりも明らかにくっきりと影深い地であるのかもしれなかった。 傷病老死、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦。 四苦八苦に塗... 2024.07.20 霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった
それでも私は走る 水無月の空に啼いた ――――がここのところ空元気でずっといることなんて、エルコンドルパサーは当然気付いていた。 存外彼女は役者であるようだけれども、しかしエルコンドルパサーとて仮面を被る者である。 一枚の奥の少々臆病な内心から覗いてみると――――の笑顔は以前と... 2024.07.04 それでも私は走る
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった 第二十四話 幻想にもあり得ては 竹林の迷いは永遠へと繋がる。露わになったのはそんな詩歌のような幻想の体現。 迷いの竹林の中に佇む永遠亭は古式ゆかしい和風建築の趣であるが、一体それが何時何処の流行りのものであったのかは判然としない。 よくよく見れば灼けず錆びずにその材の真新... 2024.06.22 霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった
少女は星にならない 十六話 太陽/あなただけを見ていれば間違いないから 神代小蒔は、空には太陽以外に要らないと言い切れる人である。 月はあまりに冷たい色をしていて、星星は暖を取るにはあまりに微か。 ならば、ついうとうとしてしまいたくなるくらいのお天道様こそ大事に、想い思って愛していた。 「私は――星に願いません... 2024.06.19 少女は星にならない
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった 第二十三話 知識のために 先生。 それはここ幻想郷の人里において小さな寺子屋などを運営する教師達の呼称としてよく用いられているものだ。 そして、この頃新たに先生と呼ばれるようになったのは、稗田の家お抱えの賢者とされる上白沢慧音。 里の中程に新設された寺子屋にて彼女は... 2024.06.02 霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった 第二十二話 私は変わりたい アリス・マーガトロイドは魔界生まれの少女である。 そのため生まれつき魔法使いである彼女には、本来衣食住に対する意識は希薄であっても良い筈だった。 だが、神綺という魔界の神を手本にした彼女曰く子供達同士の相互扶助により大いに学んだアリスは心に... 2024.05.22 霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった
それでも私は走る こんなに幸せ ウマ娘達がその速さを競うということは、人が薄氷を渡ることと似ているのかもしれないと、彼は思った。 そもそも遅ければ氷の下に堕ちてしまうだろうし、そしてほんのちょっと力を入れすぎただけで氷は脆くも砕け散って足を取られてしまう。 最悪没した先に... 2024.04.27 それでも私は走る