霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった

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霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった

第三十三話 友達なんだ

時知らず向き合う、サンライトイエロー。向日葵とは太陽の花。そんなの多くが自然に持つ認識であるからには、ここ幻想に至ってしまえばその結びつきは尚強まる。「っ」「辛そうね」そう、ただの向日葵の妖精でしかなかった筈の幽香はひたすらに勝ち続けること...
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第三十二話 素敵な一日

氷の妖精チルノにとって、住まう湖の周囲の霧の色が変わろうとも大したことでなかった。自然の権化である多くの妖精は変化を気にするものだが、永遠の氷華である彼女には背景色の変化程度で怖じる心なんてない。故に此度の紅霧異変においても、遊び呆けるため...
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第三十一話 背中を一目見て

空を見れば、ひたすらに青いばかり。明瞭な快晴に曇りなどどこにもない。しかし、地べたのありとあらゆるものが、不可思議な霧の赤さに染まってしまえば、見渡す限りの蒼穹すら大変にくすむ。多くが美しき天辺を見上げることなく、現の異常事態にてんやわんや...
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第三十話 私の方がよほど

上白沢慧音は、この前七つ程度の夜を人里の外で過ごした旅から帰った。孤児達の勉強をみてあげるのだって必要だし、そろそろ寺子屋の完成も近くあるからには、慧音も忙しなさに翻弄される日々を送ることになる。読書を嗜む暇もろくになければ、書き物を続けて...
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第二十九話 形だけ

空をふわりふわりの隣で、地べたを一歩一歩。達者な足取りは、しかし永遠に続くものではない。とはいえ、何だか懐かしくすら思える道のりを踏破するのが面白く、上白沢慧音は気づかず汗を額から垂らして石の階段を登り続けていた。「っと」「そういえばけーね...
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第二十八話 貴女の友達

魔たるものは、浮き世と離れているのが当然なのか。ドレスとマント。白と赤。両の中間といったような衣類を纏った天上の造作の女性がその場に浮かんで落ちない。当たり前の重力の遮断。彼女の威を前に、あらゆる力の殆どは無意味なのだろう。思わず頭を垂れて...
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第二十七話 私に降って

人はかすがいを増やすことで安堵する生き物である。友達家族に、上司に部下に好きな相手に嫌いな相手。または先生など。そのような比較対象を近場に置くことで確かに地に足を付けて歩めるのが人間という存在。生半可に切ったところで付いてくる、ありとあらゆ...
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第二十六話 消えずに燃えて

歴史とは足跡であり、それを失くした者に信頼などそう得られるものではない。そんなのは、上白沢慧音は新しく歴史を始めてからこの方ずっと痛感していたことだ。だからこそ、これからを歩み続けなければならないのだけれども、彼女は凍える今夜を人知れず逃げ...
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第二十五話 貴女のために

妖怪とは、陰陽思想で言うところの陰である。そして、陽の存在に人間を当てはめるとするならば、幻想郷は果たして外の世界よりも明らかにくっきりと影深い地であるのかもしれなかった。傷病老死、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦。四苦八苦に塗れた人...
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第二十四話 幻想にもあり得ては

竹林の迷いは永遠へと繋がる。露わになったのはそんな詩歌のような幻想の体現。迷いの竹林の中に佇む永遠亭は古式ゆかしい和風建築の趣であるが、一体それが何時何処の流行りのものであったのかは判然としない。よくよく見れば灼けず錆びずにその材の真新しさ...
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