二次創作小説

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霧雨魔梨沙の幻想郷

第十話

あたし、霧雨魔梨沙には苦手なものが結構ある。 結構、というのは多くて情けなく思われるかもしれないけれども仕方ない。色々なものに触れることで、苦手というのは増えていくものだから。そうあたしは思っている。 まあ、そんな苦手なものの一つとして、寒...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第九話

冬が始まり、雪が降り出して幻想郷を白く染め始めた頃。霧の湖にて氷精チルノはその日、淡水に棲む人魚、わかさぎ姫と遊んでいた。 遊びと言ってもやっているのは弾幕ごっこ。もちろん、戦うことも相手を傷つけることも苦手なわかさぎ姫に合わせて、スペルカ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第八話

秋風が寒く吹き始めたその日、博麗神社でちょっとした騒ぎが起きた。それは霊夢にしたらよく神社に現われる二人が偶々顔を合わせたというだけに過ぎないが、本人たちにとっては一騒動であるようだ。 山の紅葉を味わいながら魔梨沙と霊夢が縁側で一緒に茶を飲...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第七話

「うー。頭が痛いわー」 「全く、弾幕ごっことはいえフランドールに勝った人間が、酒気に負けて二日酔いに苦しんでいるなんてね」 「あたし、お酒にはよわいのー」 紅魔館の地下、大図書館にて、霧雨魔梨沙とパチュリー・ノーレッジは向い合って話していた...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第六話

霧雨魔梨沙はある能力を持っている。 おかげで魔梨沙は強いのであると断ぜれば楽なのであろうが、実際にはそんなことはない。彼女はただ、元来持っている魔法使いとしての才能を狂信的なまでの努力で育て上げ、実践にて魔法を弾幕に使うことに慣れただけの人...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第五話

紅く大きな満月の下、紅魔館の屋外には落下していく吸血鬼とそれを見送りながら肩で息を吐く紅白巫女の姿があった。 墜ちる中途で飛膜によって風を受けふわりと向きを変えテラスに足を付けて顔をあげた吸血鬼はレミリア・スカーレット。彼女は運命を操る程度...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第四話

「月符「サイレントセレナ」」 「わ、いきなりねー」 箒に座しながら空を往く魔梨沙と泰然と浮かぶパチュリー。そんな二人が離れて頃合いといった直ぐに、パチュリーはスペルカードを宣言した。 今日は満月。月の力は頂点に近い。実の月は赤みを帯びている...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第三話

紫色の長髪がトレードマークである七曜の魔女、パチュリー・ノーレッジにとって、紅魔館は家であった。ここ数年間でとみに広くなった、我が家である。 最初、この建物は変わり者の吸血鬼の館といった印象だった。しかし百年もの時を経て、自分のための図書館...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第二話

魔梨沙は霊夢にも特に語っていないが、実は彼女は異変らしき事態に何度か立ち向かったことがある。 真っ赤な大学教授と戦ったり、何やら異世界の近くにいたフラワーマスターに挑んだり、魔法のメッカ魔界に行ってみたりと、実は魔梨沙は結構幻想的な体験をし...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第一話

あたし霧雨魔【梨】沙は稗田の家の阿求ちゃんと同じように記憶を持って転生したものである。 魅魔様が言うには、正しくは事故で魂がくっついた憑依みたいなものらしいけれど、それでもあたしにとっては大差ないからと転生したのだと深い知り合いには簡単に説...
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