二次創作小説

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霧雨魔梨沙の幻想郷

第十六話

アリス・マーガトロイドは緊張していた。それは、今日魔梨沙が来るからというそれだけの理由ではなく、自身に不備があるかどうか恐れているというだけでもない。両方が混ざって、アリスは混乱しているのだった。 着用している洋服のこのひらひらしたフリルが...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十五話

じゃり、じゃりと箒が土を撫でる音がする。それは一つではない。あまり元気のない音色のものも含めて、合計五つ。そんな、地道な清掃の音が、白玉楼に響いていた。 それは、異変を起した二人と、解決をしに来た三人が、共になってとても大きな桜から散った花...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十四話

その殆どを開かせた桜の樹は、花びらを散らせながら大いに咲き誇る。元々大きなその威容は桜色に埋まることでより迫力を増しているようだった。 いや、実際にその幹に篭められた力は薄くなった結界を越えて広がり始めている。封印のその殆どを解かれてしまっ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十三話

今年の冬は、酷く疲れるものであったと、銀髪のボブカットが特徴的な二刀を持つ庭師、魂魄妖夢は思う。 春度を持ってやって来た紅白の巫女に負け、弾幕ごっこでもう二度目の撃墜を味わいながら、薄れる意識の中彼女は一連の流れを振り返った。 妖夢は幻想郷...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十二話

十六夜咲夜にとって、霧雨魔梨沙との関係は、ただの知り合いでしかない。いや、ただのというには複雑ではあるが、それでも個人の付き合いとしては決して深いものでないのは間違いなかった。 自身の主人であるレミリアいわく、フランドールの運命を変えてくれ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十一話

アリス・マーガトロイドは、魔界生まれで幻想郷在住の魔法使いである。そして、何より彼女が訪れる人里その他の場所では人形遣いとして有名であった。 何しろ、アリスは普段から日常的に幾多の人形を操り、それに身の回りの世話をさせたり、戦わせてみたり、...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十話

あたし、霧雨魔梨沙には苦手なものが結構ある。 結構、というのは多くて情けなく思われるかもしれないけれども仕方ない。色々なものに触れることで、苦手というのは増えていくものだから。そうあたしは思っている。 まあ、そんな苦手なものの一つとして、寒...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第九話

冬が始まり、雪が降り出して幻想郷を白く染め始めた頃。霧の湖にて氷精チルノはその日、淡水に棲む人魚、わかさぎ姫と遊んでいた。 遊びと言ってもやっているのは弾幕ごっこ。もちろん、戦うことも相手を傷つけることも苦手なわかさぎ姫に合わせて、スペルカ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第八話

秋風が寒く吹き始めたその日、博麗神社でちょっとした騒ぎが起きた。それは霊夢にしたらよく神社に現われる二人が偶々顔を合わせたというだけに過ぎないが、本人たちにとっては一騒動であるようだ。 山の紅葉を味わいながら魔梨沙と霊夢が縁側で一緒に茶を飲...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第七話

「うー。頭が痛いわー」 「全く、弾幕ごっことはいえフランドールに勝った人間が、酒気に負けて二日酔いに苦しんでいるなんてね」 「あたし、お酒にはよわいのー」 紅魔館の地下、大図書館にて、霧雨魔梨沙とパチュリー・ノーレッジは向い合って話していた...
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