二次創作小説

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霧雨魔梨沙の幻想郷

第二十九話

迷いの竹林の中、永遠亭の近くを棲家とする妖怪兎達は、大いに騒いでいた。 何時も飛んで跳ねて、時に餅をついたりする、そんな暢気な妖獣たちはそのよく伸びた感覚器によって、強力な妖怪と人間、そして恐ろしい幽霊と半分人間の存在をいち早く知り、怯えた...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第二十八話

上白沢慧音は、今回の異変に対して、過分とすらいえるほどの対策を講じている。 不完全な月の下、不完全な力のままに、しかし慧音は人里を守るためにと奔走した。今回の異変の恐ろしさを主要な里の人間に説き、彼女は一夜だけならと人里を【なかったこと】に...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第二十七話

あたし、霧雨魔梨沙は、星が好きである。まず、大本の距離や大きさは違えども、夜を明るくしすぎないくらいに天を賑やかせているその有り様が素敵だ。 色とりどりに、瞬いたりして、決して大きくないその存在は自己を主張する。それが集まる天の川なんて、つ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第二十六話

照りつける強い陽光に、湿度の高い空気が相まって、止まらぬ汗は長々と垂れて頬を伝う。幾ら帽子を被って日差しを避けていても、熱された地面と近くあればその身の温度は上がっていく。 これはたまらないと、星柄の綺麗なガラス製で、しかし保温保冷機能は外...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第二十五話

霧雨魔梨沙の家は、純和風の造りである。人里の大工に作らせたのだから、そうなるのも当たり前なのかもしれないが、和風建築に魔女が住むというのはミスマッチではあった。 一人で住むのだからと、二階建てにすることにすら難色を示した魔梨沙だったが、それ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第二十四話

鬼退治を終え、スキマから出てきた魔梨沙にかけられたのは、沢山の叱咤とおまけばかりの回復魔法だった。 特に霊夢からの文句は止まらない。それは、最初はダメな部分を挙げていた魅魔も、取り成すよう動かなければならないくらいのものだった。 さあ、そろ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第二十三話

「あー。駄目ね。本気になって私の真似事を始めたのは面白いけれど、その前に萃香のあんなに雑な攻撃をグレイズさせるなんて、魔梨沙らしくない」 「あら、身体に掠めることすらいけないなんて、厳しいお師匠様ね」 「当たり前よ。あれでも魔梨沙は人の子。...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第二十二話

日は地平に沈みかけ、地は紅の力ない陽光に溢れている、そんな時間になって斜光よりなお紅の洋館からふわりと出かける影が二つ。 その内の一人、地下にて書を嗜むばかりいたためか、最近動かない大図書館という嬉しくもない二つ名を頂戴してしまったパチュリ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第二十一話

宴会当日。現在日は高く、夜中に予定しているそれまでまだまだ時間はあるが、言い出しっぺの魔梨沙は真面目にござを敷いたり霊夢と一緒に食べ物の吟味をしたりして、過ごしていた。 いよいよ増している妖気が邪魔だなあと思いつつ野菜を洗いながら、魔梨沙は...
幽香さん、優しくしてみる

第二十話 天邪鬼に優しくされてみた

その系譜の大本であるとされる天稚彦や天探女まで辿るまでもなく、天邪鬼という存在は反逆する者であることが要であり本来捻くれている必要なんてなかった。 だが、実際のところ鬼人正邪は誰よりもへそ曲がり。白と言えば黒を語るし、正義を説けばその隣の悪...
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