二次創作小説

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霧雨魔梨沙の幻想郷

第二十四話

鬼退治を終え、スキマから出てきた魔梨沙にかけられたのは、沢山の叱咤とおまけばかりの回復魔法だった。 特に霊夢からの文句は止まらない。それは、最初はダメな部分を挙げていた魅魔も、取り成すよう動かなければならないくらいのものだった。 さあ、そろ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第二十三話

「あー。駄目ね。本気になって私の真似事を始めたのは面白いけれど、その前に萃香のあんなに雑な攻撃をグレイズさせるなんて、魔梨沙らしくない」 「あら、身体に掠めることすらいけないなんて、厳しいお師匠様ね」 「当たり前よ。あれでも魔梨沙は人の子。...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第二十二話

日は地平に沈みかけ、地は紅の力ない陽光に溢れている、そんな時間になって斜光よりなお紅の洋館からふわりと出かける影が二つ。 その内の一人、地下にて書を嗜むばかりいたためか、最近動かない大図書館という嬉しくもない二つ名を頂戴してしまったパチュリ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第二十一話

宴会当日。現在日は高く、夜中に予定しているそれまでまだまだ時間はあるが、言い出しっぺの魔梨沙は真面目にござを敷いたり霊夢と一緒に食べ物の吟味をしたりして、過ごしていた。 いよいよ増している妖気が邪魔だなあと思いつつ野菜を洗いながら、魔梨沙は...
幽香さん、優しくしてみる

第二十話 天邪鬼に優しくされてみた

その系譜の大本であるとされる天稚彦や天探女まで辿るまでもなく、天邪鬼という存在は反逆する者であることが要であり本来捻くれている必要なんてなかった。 だが、実際のところ鬼人正邪は誰よりもへそ曲がり。白と言えば黒を語るし、正義を説けばその隣の悪...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第二十話

内にぐるぐると胸の内で回るような熱が燃えて仕方ない。そして、レミリアの顔は美酒によって酔ったかのように火照っていた。 どうにも、通常の状態ではない。だから、こんなに馬鹿げたことをするのだろうと、レミリアの冷静な部分は自分を推察する。しかし、...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十九話

その姿を最初に発見したのは、当然のことながら、門番をしている紅美鈴であった。穏行もしていない人影を見逃すほど彼女は暢気ではなく、むしろ門番として優秀な方である。 しかし、美鈴は焦らず、むしろ迎えるために門から一歩前へと進んだ。空を飛んで、何...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十八話

何かがおかしいと、気づいたのは何時の頃だっただろう。そもそも、最初からどこかおかしかったのかもしれない。何しろ、下戸のあたしが、宴会の主催を引き受けたことからして、変といえばそうだった。 もっとも、他に先導するようなメンバーが居なかったから...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十七話

所は白玉楼に向かう階段。そこで八雲紫と博麗霊夢は向かい合っていた。いや、ただ二人は対面している訳ではない。その間には、無数の弾幕が行き交い、こと紫の張る弾幕は密に二人の隙間を支配している。 桜舞い散る中で、紫の弾幕は水色に緑色の小さなクナイ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十六話

アリス・マーガトロイドは緊張していた。それは、今日魔梨沙が来るからというそれだけの理由ではなく、自身に不備があるかどうか恐れているというだけでもない。両方が混ざって、アリスは混乱しているのだった。 着用している洋服のこのひらひらしたフリルが...
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