第二十話 天邪鬼に優しくされてみた

優しい幽香さん 幽香さん、優しくしてみる

その系譜の大本であるとされる天稚彦や天探女まで辿るまでもなく、天邪鬼という存在は反逆する者であることが要であり本来捻くれている必要なんてなかった。
だが、実際のところ鬼人正邪は誰よりもへそ曲がり。白と言えば黒を語るし、正義を説けばその隣の悪を指差す。
まるで本心からの反逆ではない、ただの反抗を繰り返すばかりの妖怪。益体もない、神秘の零落の末の冗談のような昏い凝りこそ彼女だ。

勿論そんな者は生に学びなんて要らないとあかんべえ。強かになることすら他所任せで畜生以上に楽を求めてばかりで、そしてそんな己の下らなさこそを彼女は大事にしていた。
永遠は勿論のこと享楽すらも要らず。いっそつまらないことばかりを自覚的に繰り返す正邪は、底辺極まりない下等。
目に入れただけでしかめっ面を向けられる、そんなことにばかり楽しさを覚える痛々しい少女だった。

「こんな私だがね……この城ばかりは気に入ってるんだ」
「へえ」

だが、そんな曲がりくねった心を持つ少数派の弱者は、孤独の最強たる日廻の前に真っ直ぐ逆さに立つ。
彼女が見上げるのは風見幽香という最強が今守っている、ひっくり返ってそのまま浮いている、真に正邪に似通った有り体のお城。その名も輝針城。
何やら面白そうだと探った挙げ句に書の中にて行き当たったその付けられた名前にも、珍しくも天邪鬼は嘲笑って済ますことすら出来なかったのだ。

「この輝針城は、小人らの愚かな傲慢に対する罰の形。だがそいつが一度鏡に見えてしまえば、見逃せはしないだろう?」
「天守を下に、石垣を天辺へ。そんな小人物たちの理想への裏切りの形が、貴女には貴女に見えてしまうのね」
「ああ。間違っていて滑稽で哀れで……私は、私だけは笑えない」
「そう」

ふと、風見幽香は中空に雲を帯びながら佇む、冗談のような逆さ城を見下げた。
力強さすら覚えるその造作に手抜かりもなければ、最下で暗く煌めく瓦の一つ一つが立派であるのが分かる。
そんな全てが上下逆さになって台無しに浮かんでいるのであれば、なるほど無意味で滑稽、愉快であるとも捉えられるのかもしれない。

「ふふ」
「ちっ」

勿論、幽香と正邪はそんなこと更々思わなかったのだが。
ただ花の妖怪は風の心地に微笑んで、天邪鬼は思い通りにならない全てに対する不服に舌を鳴らす。

レジスタンスのシンボルは、異変の首謀者の心象の形でもあったというつまらない在り来り。だがそんなことすら少女には見逃せず。
何時ものように、まるで睨んでいるかのように眩さから目を細めながら、鬼人正邪はこう語った。

「私は思うんだよ……この世は輝く針だらけ。輝かしいあんたらに触れようとするたびに痛くて、だから私はひっくり返って笑ってる」
「そう。貴女は全てを肯定しているのね」
「あー……そう思いたくはないが、そうかもしれないね。嫌いなんて好きの変形。愛だってとても敵わないくらいに、私はこの世が大嫌いで……だから何もかもを真に受けて苛立っている」

好きも嫌いも紙一重で裏返しであるならば、同じだと飲み込みのたうつ天邪鬼一匹。
そんな、どうしようもない存在こそ天に中指立てるエゴイズムを秘めて、何もかもをどうにかしてあげたいと思いやってしまっていた。
なるほどこれは見誤っていたと素直に認めた幽香は眉を上げて、正邪を認めながら呟く。

「鬼人正邪。それこそが貴女の妖怪ではなく、貴女という反逆者の特徴なのね」
「ああ。私は全部嫌いだ好きだっ、何もかもがどうでも良くないんだ! だから、優しくなんて……出来やしない」

正邪にあるのは天邪鬼だから、という言い訳すら己に認めない歪んだ性根。
全てに隔靴掻痒。もしこの美しい全てをかき乱してしまったとしても、何とかしてみたいという反逆心がこの吹けば飛ぶような妖怪の奥底にはあった。

ああ、これこそ世界に向けた救いの千手。
歪んでいて尖っていて、誰一人たりとて取らないだろうその手のひらを、しかし心の奥底に全てに危を示す千本針を秘めた風見幽香は確かに頷きと共に認める。

だが弱者を救うどころか、この世のすべてを救いたいとすら思っていながら、そんなこと出来やしないと捻くれて己の利のためにとしか動かない。それこそがこの少女の天邪鬼なところ。
それでも黙っていれば格好は付いただろうに、こうして目の前にて主張を辞められなかった、その理由は。

「なるほど貴女は、私の正対ね」
「ああ、だいたい全てがどうでも良いからこそ、万物全てに優しくなんてして楽しめる、お前と私は相容れないっ」

何よりギラギラと光る逆さの瞳から幽香は察することが出来た。
届く届かぬなんて知ったことかという、真っ直ぐな敵意。そんなものを向けられるのは久しぶりだなと思った花は笑みに歪み、こう口火をきる。

「正邪。私は結構貴女のことは、好きよ?」
「そうか。私はお前なんか――――大っ嫌いさ!」

言うが早いか、真っ赤なベロを出した正邪。彼女は赤をまず世界に向けて広げて黒く白く煌めかせる。まるでそれは少女の心のマーブル。

「負けるもんかっ!」

そして敵わなかろうと叶わなかろうと花よ散れと、鬼人正邪は風見幽香に向けて弾幕を広げるのだった。

 

盛大な弾幕の音色が轟き出した城外を他所にして、静かに決着が付いたのは異変のま真ん中。
その古めな姫様衣装をナイフにて四方八方から縫い留められ、とうとう白旗を上げたのは正邪が主と仮に仰ぐ、少名針妙丸。
危険だと弾幕ごっこの途中に手から離され転がった、豪奢な小槌をうらめしげに望みながら瀟洒なメイドの前にて彼女は泣き真似をはじめるのだった。

「しくしく……わが友の悲願がこんな西洋かぶれの侍女に破られるなんてー」
「はぁ……流石は音に聞く打ち出の小槌。凄い力だったわね……この妖刀の力がなければどうなっていたことやら」
「むぅ……その剣だって本当は私のものだったのに……ずるい!」
「残念。首輪を外して離してしまえば、新たな主を探す子だって居るわ。この刀はしばらく私が使わせてもらうから」
「しくしく……」

頼みの綱というか、生命線である打ち出の小槌もない針妙丸は妖しい力を纏った小刀を喉元に突きつけられ、諦めに改めて本当に涙する。
相手は自分が全力を出そうとしたところを見逃さずに手から武器を弾くことでチェックメイトとした戦闘巧者。
実はそこそこ素手の戦闘にも覚えのある針妙丸であったが、流石に勝者たる十六夜咲夜にそれで敵う気もしなかった。
だから、あーあこれでとうとう楽しい楽しい我らが異変はお終いかと悲しみに暮れる。

「打ち出の小槌……恐ろしいアイテムね」

そんな戦闘不能な様を見てようやく全てにケリがついたことを察した咲夜ははたと、弱小妖怪や器物が力を持ち出した事態の根本原因たる輝く小槌を見下ろし呟く。
極東きっての願望器。聞けば鬼の手によるものらしいが、かの伊吹萃香の途方もない実力を思えばさもありなん。
どこにも神様じみたものを作り上げることの出来る存在は居るのだと感心するのだった。

「あ……ダメだよ。小槌だけはあげないからね!」
「流石にこればかりは貴女から取り上げておかないと、際限なく異変が起きそうだし……」
「そんなー……私の身長、小槌の力でおっきくなってるから常に持ってないと戻っちゃうか心配なのに……あ」
「身の丈に嘘をつくのは止めておきなさい。悪用するつもりはないから、これは私が預かっておくわ」
「ううー……」

咲夜は陶磁の指先にてその小ぶりのハンマーを拾う。思ったより軽いこれは根本的な部分では木製と呼べるだろうか。
その上にどれほど塗り重ねられたかも分からない呪術的価値を無視して漆の表面を指でなぞり、いっときだけ咲夜も魅入られる。

「ま、私も私で身の丈を望んで生きないとね」
「うーん……貴女がそうするなら、私もそうならないとダメかー」

だが、すうとそれを妨げるかのように咲夜の瞳に紅が浮かんで、たち消えた。
後に残ったのは迷いないメイドの心に、嫌に騒音増した城の天板に足をつけて立ち出した少女達の姿。
そしてふよりふよりと来たる紅白めでたい彼女が遠く見て取れた。額に汗を掻きながらやってきた既知の巫女を望んで、咲夜はふと呟く。

「あら……」
「咲夜! ちょっとそれ貸しなさい!」
「ええと、これは今回の異変の一番の戦利品なんだけれど……」
「問答無用! そんな幻想郷に悪影響しか及ぼさないものなんて封印させてもらうわ!」
「はぁ……」

さて、誰にこの危険物の封印を頼もうかと一考する間もなく、向こうから慌てて来たのはその道の専門家。
まさかこんな、どんな損と引き換えに願いを叶えるのかすらも不明な一品に自分が心を預けるものと思われているとは、と咲夜は霊夢に対して不満な顔をする。
そして、それを敵対の意と取り違えた直感置いてきぼりの慌て巫女さんは咄嗟に御札を取り出して。

「なに、やるなら相手に……」
「ちょうどいいわ。その御札これに貼ってくれない?」
「はぁ? ……と」

気づけば目の前に居た光速のメイドに導かれるようにして、その一枚を打ち出の小槌にぺたり。
それだけで、今にも暴れて逆巻きかねなかった魔力は一気に大人しくなる。
しばらく上から様子を覗いておおよそ大丈夫と理解した霊夢は、ため息と共に本音を吐き出すのだった。

「はぁー……私が封印術得意で良かったわ。この槌からもう暴走するんじゃないかって気配を感じて急いで来たけど、もう大丈夫ね」
「えー……暴走とかそんなの聞いて……あ、正邪のヤツ知ってて黙ってたなあ! 全くもう!」
「んと……あんた誰?」

慌ててろくに目に入れていなかったが、少しボロボロ姫調な衣装を来ている少女をここで霊夢はようやく気にしだす。
目と意識を向けると、ぷんぷんから一変。針妙丸はお椀の蓋の帽子を指し示しながら、上機嫌にこう自己紹介をはじめるのだった。

「よく聞いてくれました! 私はかの一寸法師の末裔、今回の異変のボスでもある少名針妙丸よ!」
「一寸法師? へぇ……思ったより小人って私達と大きさ変わらないのね」
「どうもその子、小槌の力で身体を拡大しているみたいよ」
「なるほどねー」

咲夜の横からの補足に、合点をいかせて頷く霊夢。
彼女にとって小人とはもうちょっと可愛らしいサイズであり、また幼少期飼ってみたいと思った経験もあったりするのだった。
だから、針妙丸の言で気にしたのはそこだけ。しかし、本来驚くべきところはそっちじゃないと思った小人は、霊夢の袖をちょいと引っ張って問う。

「……私がボスだってこと、驚かないの?」
「ええ。そんなの信じてないから大丈夫」
「うー、信じなさいよー! どうしてー!」

私そんなに貫禄ないかなー、と続ける針妙丸には確かに実力ほどの大人気な感じはない。
だが暴れる幼気にて、どうやら最低でもこの少女は本当に自分が悪役であることを信じていることを霊夢も理解させられる。
どうも黒幕らしくないその様に気を引かせながらも、彼女は言い訳のようにこう零すのだった。

「いや……それは外であんたよりも悪そうな奴らが仲間割れしてたから、ついね」
「へ?」

そう、針妙丸は特に気にしていなかったが、外の花火の模様は現在が最高潮で。

つまりもう直ぐに散って終わってしまうのだということだった。

 

「はぁ……はぁ……どうやっても、掠りもしないって……大人気ない。遊びだろうに、これ」
「遊戯に本気になるのは大人も子供も関係ないわ。そして、そこに籠められた貴女の心象を感じればこそ、手を抜くことだけはあり得ない」
「そう、かいっ!」
「ふふ……」

牽制の青赤は交差を見抜かれそよぎのような所作一つでなかったように遠く消えていく。
ときに【何でもひっくり返す程度の能力】によって感覚すら狂わされてやりにくくて仕方ないだろうに、風見幽香は平気の平左であった。

弾幕自体を月の悪夢のような難易度に極めてあっても、それを最強は悠々射抜いて進む。
上下からの開闢じみた挟み撃ち。天下転覆を名にした能力を全開にした渾身ですら届かなければ徒労はなお募るもの。
むしろ、煌々とした輝きたちの中で尚この華は輝きを増しているようにすら思えてはどうしようもない。

「次、逆弓「天壌夢弓の詔勅」!」
「あら」

だが捻くれた天邪鬼の心は敗北が濃くなればなるほど発奮して止まぬもの。
我が祖は天壌無窮の神勅がなんだと背を向き弓引いた。それが色ボケの結果だろうが知ったことか。きっと彼らは反逆に胸を張っていたことだろう。
ならば私もとは正邪が思うことではないが、しかし。その弾幕には過分なまでの力が籠もった。

「届、けっ!」
「弾幕で干渉しても消えない? ……なるほど、これは弾幕ごっこの限界に近い表現ね」

後ろから来たったのは吹けば飛ばない、そんな矢じりたち。
赤青緑に輝くどれもこれもが、邪魔されるものかと力強く動きながら交差を生む。
速い、無数。それが必ず幽香の後方から来たるのであるから流石の彼女もたまらない。
先程までの余裕はどこへやら。ポケットの中にもしもの際の回避に用意しているスペルカードに触れる指先にも、自然力が入る。

「ダメね……」
「なっ」

だが、そんな強張りをあえてここで幽香は捨てた。
本気の本気に対して、もしもなんて要らない。遊戯でもこれに当たれば私は負けだと彼女は決める。
三色の弓矢はどれもこれもが鋭く、その煌めきだって脅威に足るものだった。光の揺らぎは、交わされる動きはどれもこれもが目測の邪魔であり、そもそも向きが嫌らしくある。

「くっ、そおっ!」

だが、そんな程度で風見幽香という存在を負かすには些か足りなさすぎた。
しかし、それでも彼女は今注意に後ろを向いている。
それを機だとは思えずともここで全てを当てるしかないと、捻くれながらも認めた正邪は。

「逆転「チェンジエアブレイブ」!」
「な」

複雑な弾幕ごと【何でもひっくり返す程度の能力】を全開にした。

 

赤い粒状弾の渦は視界を酩酊させ、青の大玉弾は逃げ道をどこまでも塞いでいく。
そう、全てはまやかし。上下左右の方向を損なわせるように干渉する能力の一部ですら、正邪の全てではない。

届け届け、敵わずとも、叶わずとも。
私は間違っていて、それでいい。だからあんたも。

「優しくなくっていいだろうにっ!」

そうして少女はまっすぐ曲がっていた彼女の心根を、真反対にひっくり返したのだった。

「っ」

先に墜ちたのは、正邪である。だが、その前に覆水は盆に返った。

「さて……」

墜ちゆく天邪鬼を認めるは、風見幽香の赤き瞳。
それは正しく、真っ直ぐに見上げざるを得ない、恐るべき単色。そこに載っていたのは果たして、懐かしき嗜虐の色だった。

「はは……」

ああ、自分が一人ぼっちじゃなくて幸せなんてそんな素晴らしい世界、反吐が出る。そんなの皆にあげちまえばいいのだ。
そして風見幽香は加虐的で、不可逆的で、それで良かった。なにせ。

「――――私を起こしてしまったわね」
「やっぱ、あんたはその貌が一番似合ってるよ」

その方が、我慢している今までよりもずっと、幸せそうだったのだから。

目を細めた幽香。弱き妖怪のために最強が振り向けた傘の先に集まるのは、天邪鬼なんて何度滅ぼしてあまりある程の熱量。
そんなものを意に沿わぬ時間に起こした相手を虐めるためだけに向けるのだから、少女は身勝手極まりなく、何より。

「はは」

純粋で、美しかった。

幽香が抱えた光球は臨界点を迎えて太陽を忘れさせるほどの大輪と光を放つ。
そして、それは。

「ふふ……虐めて、あげないわよ?」
「え?」

笑顔の幽香によって、正邪に与えられることもなく取り上げられる。
そう。彼女はぼきりと、力づくで逆さになった心をまた反対に捻じ曲げたのだった。

「ぷ」

やがて間抜けな顔をして逆さに墜落しきろうとする少女は、花のブーケに包まれて、安堵される。

「うう……」

すると肌に触れる何もかもは柔らかばかり。流石の意地っ張りも疲労を覚えていたこともあってか直ぐに意識を虚ろにしていく。

「正邪」
「っ!」

だが、そうたやすく敗者は眠れはしない。
案の定何もかもを用いてそれでも敗北。心を変えることすら出来なかった自分は、果たして大嫌いで大好きなこの妖怪に優しくでもされてしまうのかと嫌がり目を大きく開けた正邪に幽香は。

「はい」
「痛っ」
「仕置よ」

デコピン一つ。それきりで一つの異変の終わりを告げるのだった。

「っ……それで、あんたはいいのか?」

驚き顔を上げる正邪。桃色の花弁一枚頬につけたままの彼女は、こんな半端な終わり方を許せない。
天邪鬼はもっと嫌われて、それこそ殺されかねないくらいの仕置が欲しかった。何せ、どんな手を使っても生き残ったものが勝ちという考えを持つ正邪には、それくらい敗北は重いものだったから。

だが、ありとあらゆるものの生殺与奪の権利すら持つ最強は、故に全てに向けた悪意を手折ってこう伝えるのだった。

「貴女が思いやってくれた以上に、私は自然よ」

そう。鬼人正邪は風見幽香にとってだいたい全てがどうでも良いのだと見切りをつけていたが、それは違う。
もとより本当にどうでも良かったのであれば、彼女も花すら愛でずに夢に籠もっていただろう。それをしないで、ただの妖怪として強く幻想の地を踏むその理由は。

「ふふ。花を綺麗と思えずとも語れない。そんな全てをいじらしさとも取れはする。けれども、花に百日の紅なしともよく言ったもの。今に愛を語らずにおくのは、あまりに勿体ない」

正邪は全ての感想を纏めて嫌いと主張する。だが、その嫌いの中にはあまりに好意が多すぎた。それこそ、彼女自身が生きることすら辛くなって、負けて死にたいとすら考えてしまうくらいには。
そんなのはひょっとしたら哀れなのかもしれなかった。しかしもっともそんな全ては風見幽香に関係なく、少女は己の中の悪意の海に僅か混じった感想をあえて拾い。

「そうね……私はこれでも、幻想郷は好きよ?」

抜けるような蒼穹の下、そんな嘘のような本当のことを告げたのだった。


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