二次創作小説

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空を飛ぶ程度の――

第四話 ありがとう

セシリア・オルコットは、勤勉である。 授業で持ち帰った学びを都度復習するのは当たり前。暮らしの中、異国の言葉で不明だったところを使い込んだタブレットで自室にて調べることはしょっちゅう。 入部して熟しているテニスの素振りの型を繰り返してみたと...
空を飛ぶ程度の――

第三話 武というよりも舞

「はぁ。撒くのに苦労するわね。そんなに純和風な私の容姿が珍しいのかしら。もっと珍しい外の人間だってちらほら居るってのに」 今日も今日でゆっくり出来ずにげんなりしながら、霊夢はだだっ広いIS学園を歩む。 それも、半ばファンとなりつつある幾らか...
空を飛ぶ程度の――

第二話 ノブレス・オブリージュ

世界は奇跡を失伝した。 神は死に、魑魅魍魎は根絶され、光は単なる明かりで闇はただの暗がりとなる。 昔々のお話は寓話となり、恋ですら分泌物の次第とされた。今や殆どの人はあり得ないを信じない。 神がかるのは科学ばかりで、なら人の望みは即物的にな...
空を飛ぶ程度の――

第一話 慣れない

博麗霊夢は、現し世にどうしても慣れない。 高校の入学式、周囲にきゃぴきゃぴと萌える若さの中で何とはなしに窮屈な感を覚える。自分もあれらと年は同じであるはずなのに、何かおかしいのだよな、と首をかしげながら。 そして、紫檀の髪に乗っかった、友達...
空を飛ぶ程度の――

空を飛ぶ程度の――・目次

インフィニット・ストラトスと東方Projectのクロスオーバー二次創作作品。 たった一人、IS学園に入学することになった博霊霊夢さん。ハイスピード学園バトルラブコメに付いていく気もない彼女は自分勝手に意見して皆を惹きつけていきます。 きっと彼女のおかげで皆は少しだけ自由になるのでしょう。 ――しかし幻想は楽園は、果たしてどこに?
それでも私は走る

何を愛したら

皐月賞のその日、サイレンススズカはトレーナー、そしてチームの皆に連れられて応援に来ていた。あまりの歓声に一時耳を畳みながら、彼女は彼女を思う。 その応援相手は当然我らがチームスピカにおける新星、スペシャルウィーク。奇しくも同室の、輝かんばか...
それでも私は走る

おはよう

開始記号はさり気なく。 歓声に紛れた合図。それを敏に察せたのは、誰よりそれを待ち望んでいたからか。 連符の付いた彼女の耳は、響きを感じて全身を発奮させる。 「っ!」 つまり開いたゲートをドンピシャで察した――――。青の空の下、踏み出した彼女...
それでも私は走る

貴女には私が

最も速い。それは、多くの競走者が望む称号。心より一番を望むなら、決して避けてはいけない夢。 しかし距離の適性に調子や年齢、そしてウマソウルの加護の度合い等、一律に速さというものを決めるのは中々に難しいことである。 だが、クラシックには最も速...
それでも私は走る

命をかける価値

可愛らしいものは、大なり小なり好かれるもの。 だからウマ娘全体が愛らしい見目、整った顔に心をしているのは、きっと偶然ではない。 種族特性ともされる優しさや美しさは、端から彼女らが愛されるべきであると神が丹念に捏ね創ったからではないか。そうま...
それでも私は走る

勝利は彼女のもの

レースにおいて一位でなければそれは敗北と同義。 手と手を繋いでゴールなんていうお遊戯のようなことは出来ない真剣だからこそ、勝敗には強い意味合いが出るものだ。 とはいえ、別段上位に価値がないという訳でもない。 重賞で十着、そうでなくても八着以...
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