二次創作小説

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それでも私は走る

間違い

「はぁ……はぁ……」走る、走る。――――は、疲労に止まらず、ただひたすらにダートを駆け続けていた。柔らかい土に、左右に揺れる足首。重心も、次第にぶれてきていた。それでも、前へ。自分をいじめるとは、このことか。それはまるで、怪我をするために自...
それでも私は走る

真剣

アメリカ生まれのグラスワンダーというウマ娘にとって、日本というのは絵画の中の世界だった。遠く、そしてどこか違う知らないところ。美しい、優れた誰かの筆致。そんな国が大好きな母に寝物語の代わりに聞いた覚えを大切に、グラスワンダーは憧れに次第にそ...
それでも私は走る

星だって

――――は、里山遠い、都会に生まれた。昔から彼女にはブッポウソウの鳴き声よりも、カラスの騒ぎが耳に慣れていて、野良など望めずただ、美しく並んだ木々ばかりを見上げていた。ぬかるみよりも整地ばかりの周囲にて、しかし、元より彼女はウマの娘。ヒトの...
それでも私は走る

私たち

朝露に、草木が濡れている。それは涙の程には見えないけれども、どこか悲しげな光景ではあった。それを気にしながらも、しかし少女は芝を強く強く踏みつける。走るために、駆け抜けるために。朝早くから芝生を散らかしているのは、――――という、ウマ娘。焦...
それでも私は走る

負けるために来た

少女は名もなきモブウマ娘。――――は、何にもなれなかった。もともと、何でもなかったから。でも、彼女だって懸命だったから、なにも変えられない、なんていうことはなかったのだ。――――という、ウマ娘がいる。大粒の瞳に栗毛のショートカットに整った容...
それでも私は走る

それでも私は走る・目次

モブウマ娘――――。才能に恵まれない彼女は、それでも今はなきウマソウルのために、駆け続けます。己を火に焚べてでも。スペシャルウィーク世代にて彼女は果たして名を挙げられるのでしょうか?
幽香さん、優しくしてみる

第十九話 ライバルに優しくしてみた

断崖絶壁が邪魔になっていても、ぶち破って進めば良い。そんな発想は常人には持つことが出来るものではなかった。普通ならば力が足らずに届かず及ばず、涙を呑むのが当然。挑むまでもなく自信崩折れさせるのが本来であるだろう。そんなこと、何度も手抜きの彼...
幽香さん、優しくしてみる

第十八話 少女の夢に優しくしてみた

投げて、拾ってを続けるその合間に入り込んだのだろうか。使い慣れていた道具の中に、段違いの威力のものが紛れ込んでいる。そんなことがもし起きていたとするなら、そのおかしな道具を精査するのは当然のことだろう。そして、メイド十六夜咲夜は己の持つ無数...
幽香さん、優しくしてみる

第十七話 天邪鬼に優しくしてみた

鬼人正邪は天邪鬼である。そのように、彼女は鬼と種族名についてはいるがしかし実際は鬼とは程遠い、捻くれているだけの妖怪だ。生まれついて、何かが幸せであるとムカつくし褒められているとぞっとする。嫌がることは進んでするし、命令無視なんて当たり前だ...
幽香さん、優しくしてみる

第十六話 友達に優しくしてみた

入道雲を青く呑み込む空高く。何にも寄らぬ宙にて少女たちは舞い踊る。魅せるためには弾を交わすことでは足りないと、直に矛を交えて戦う姿は多くに仰がれた。夏の頃合い、高き日の暑い中。涼みの最中に少女たちの弾幕ごっこは丁度いい祭りごと。やんややんや...
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