二次創作小説

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少女は星にならない

七話 愛は喪われず/星は望まれてそこにある

愛/哀はそう簡単には止まらない。止まってくれない。 「……咲」 「お姉ちゃん……」 宮永照と宮永咲。紆余曲折は、本音を聞いて考え改めた姉が謝ることで終わりを迎えた。 姉妹二人が涙を流し、心重なり合ったことを喜んだ一幕。華二輪がもとの花瓶に仲...
少女は星にならない

六話 たとえそこが青空でなかったとしても

二つの高い背中の後をおずおずと、華の少女は付いていく。 長身二人が人混みを掻き分けて進む中を、宮永咲は頼もしく思いながら、同時に遠慮なく右に左に進む経路をとても覚えきれずに不安に感じもした。 これもし置いていかれたら私東京のど真ん中で右も左...
少女は星にならない

五話 デカい安心毛布はカップリング成立の夢を見る

その雛は、羽ばたく。空へと向かって。 しかし、何度だって地に落ちるだろう、飛ぶのにその羽根は小さ過ぎるから。 けれども止めはしない。だって、既にインプリンティングされていたのだから。 私の大好きなあの人は飛ぶんだ。だから、私も飛べるはず。 ...
少女は星にならない

四話 泡の手のひらは水月を拾う

光線弱々しく変遷しながら遠ざかる茜色。紫色に落ち込んで夜に消えゆく陽光を望みながら、少女は思う。再び明日が来るという道理への不安を。 また明日。そんな約束を果たせず両親は没した。ならば、かもしたら太陽すらも。光は儚く、脆い。 「いやだ……」...
少女は星にならない

三話 織姫は十五光年先の彼の姿を見つめる

長野といっても、決して山ばかりではない。街もあれば、野もある。車も通れば、花も咲く。 だがしかし、そんな人と自然のバランスなんて知らないとでもいうかのように、京太郎の父親の実家の周囲は山だった。 山の谷の、限界集落。自然、須賀一家は車での通...
少女は星にならない

二話 風が本を捲らないから

宮永照は読書が好きである。 文字となって出力された物語の数々は、本当だろうが嘘だろうが心を大いに刺激する。 徐々に顕になってくるその内容の愉快も憂いも現実を変えるほどの力はないのかもしれないが、しかしだからこそ良かったのだった。 恋しいほど...
少女は星にならない

一話 サモトラケのニケの美は翼にあるのか

大星淡は、星星が好きだ。 太陽はおっきくてあったかいし、月は満ち欠けが綺麗。地球だって、とても大切な私達の世界だってことも分かっている。 しかし、夜空というカンバスに思うがままに光を散らしたかのように細々とした星星一粒一粒こそが、淡にとって...
少女は星にならない

少女は星にならない・目次

咲-Saki-のいわゆる天照大神になぞらえられるキャラクター達と、須賀京太郎くんとを中心とした恋愛系のお話となります。 幾分愛が重いかもしれません。
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった

第十六話 貴女を決して独りには

藤原妹紅は、不老不死の人間である。 そして、彼女は純粋な人間として蓬莱の薬を飲んで蓬莱人となったただ唯一の存在だった。 それは、同じ蓬莱人である蓬莱山輝夜や八意永琳らとも並べられない孤独。 穢れの少ない生を送る月の民と違い人間は、端から長命...
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった

第十五話 私はずっと貴女の

「暇ね」 艶と薔薇色で出来た唇から、吐息の代わりにそんな文句が漏れる。 一時の住み家と定めた太陽の畑。夏には背高の見事な向日葵が立ち上がって風に揺れそよぐその地は、しかし春を前にした今では草花の殆どが雪の底。 辺りには動物のひしめきも聞きと...
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