オリジナル小説

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勘違い吸血鬼ばかさねちゃん

第五話 スープってなんですかい?

オレは基本的にお金をあんまり持っていない。理由のひとつとしてそれは、使わないからだ。お年玉とかあんまりいらんからそのまま渡す度によくお母には金かからない子だね、と言われるが、いや、使わないのをただ持ち歩いててもなあ。紙幣とか軽すぎてオレの筋...
勘違い吸血鬼ばかさねちゃん

第四話 馬鹿ってなんですかい?

「むぅ」お日様キラキラ輝く青空の下公園の広いグラウンドにて、オレは大っきな背中を追っかけ駆けていた。一等賞なんて飽きるほど獲ってきたオレだけど、人に先に行かれることなんて滅多に経験がない。Tシャツ一枚の下にもりもりとした筋肉の隆起が見受けら...
勘違い吸血鬼ばかさねちゃん

第三話 催眠ってなんですかい?

「三番テーブル、天丼2!」「はい!」「カサネ、次はカウンター席にBセット持ってきなさい!」「ほいなっ」右手に丼ぶり二つ、そして左手におかず日替わり焼肉定食をお盆に持ってオレは指示通りに店内をすたすた。満席の合間を縫って、飯を運ぶ。まあ、要は...
勘違い吸血鬼ばかさねちゃん

第二話 好きってなんですかい?

「じゃあな、ばかさねー」「ばかさね君、気をつけて帰るんだよ」「ばかさねさん。今日は体育の時間、どうもありがとうございました。それではまた明日」「おお。皆、またなー」部活に向かう準備をしている奴や、よく片隅でくっちゃべってる(どうやら毎日飽き...
勘違い吸血鬼ばかさねちゃん

第一話 吸血鬼ってなんですかい?

オレは双葉|重《かさね》。仲のいい友達には『ばかさね』と呼ばれてる。下の名前だけじゃ足りないってんで、長く呼ばれちゃってんだ。この愛されっぷり、オレがどれだけの美少女かなんて、語るまでもなく分かちゃうもんだよな。さて、そんなクールビューティ...
勘違い吸血鬼ばかさねちゃん

勘違い吸血鬼ばかさねちゃん・目次

ばかさねちゃんは元気です!
私は彼女の魔嬢(まじかるすてっき)

最終話 私は彼女の魔嬢(まじかるすてっき)

最終話 私は彼女の魔嬢(まじかるすてっき)光降る。そんな見出しの記事が出たそうだ。それは私達の創ったひまわりを形容したものであり、唐突に現れた、世界の全てを覆う怪物が消えた後。見えなくなってしまったと思っていた太陽が再び顕れてくれたことへの...
私は彼女の魔嬢(まじかるすてっき)

第十六話 日廻

第十六話 日廻青は空高く、茜は未だ早く、闇は遠すぎた。そんな遙かな空と地の間隙を埋めているのは、多色の流動、魔物の生。隆起し、膨らんだその形はいかにも肥満体のグロテスク。主に全体が丸に近くなってしまっては、どんな生き物の似姿も見て取ることは...
私は彼女の魔嬢(まじかるすてっき)

第十五話 楠川

第十五話 楠川真昼に生じた空の洞からは、それは、高みから落ち込む、薬剤。いいや、青い彼の言い方だと、漢方が近くあるだろうか。その色は、空を映さず、青くない。むしろ、聞き及ぶばかりの黄昏の紅にも夜の黒色にもそれは似通っていないようだった。正し...
私は彼女の魔嬢(まじかるすてっき)

第十四話 青色

第十四話 青色目の前にあるのは、深い青。藍に留まらず、しかし紫とも行かず、水色とはとても呼べない重みのそれ。ぬるりと表面を流れたその色は、瞳の上だけで支配を示した。私が見えない天上の、あるいはそれは空の色だったのか。彼方から彼を乗っ取った何...
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