二次創作小説

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霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった

第二十九話 形だけ

空をふわりふわりの隣で、地べたを一歩一歩。達者な足取りは、しかし永遠に続くものではない。とはいえ、何だか懐かしくすら思える道のりを踏破するのが面白く、上白沢慧音は気づかず汗を額から垂らして石の階段を登り続けていた。「っと」「そういえばけーね...
それでも私は走る

走るのが好きだ

「はぁ……はぁ」走るのが好きだ。そんな想いの発端がウマ娘を走るに賭けさせた。――――という少女も、それは同じ。だからこそ、彼女は走る。「たの、しい!」生きるのは急ぐことではなく、一歩一歩を踏みしめて確かに進むことであるのかもしれない。でも、...
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった

第二十八話 貴女の友達

魔たるものは、浮き世と離れているのが当然なのか。ドレスとマント。白と赤。両の中間といったような衣類を纏った天上の造作の女性がその場に浮かんで落ちない。当たり前の重力の遮断。彼女の威を前に、あらゆる力の殆どは無意味なのだろう。思わず頭を垂れて...
【涼宮ハルヒ】をやらないといけない涼宮ハルヒさんは憂鬱

第二十一話 位置エネルギーは二重丸

野球は頭を使うものだっていう言葉、私は聞いた覚えがあるわ。別に、それに異論なんてない。伯仲した試合の中で読み合いが大切になることなんてしょっちゅうでしょうし、せっかく各々位置エネルギーも高く掲げている頭を使わないなんて勿体ないもの。当然のよ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第四十四話

さて、春夏秋冬の花々が一斉に咲いた、此度の異変は魔梨沙の活躍により終焉した。ただの体当たり。痛み一つない抱擁、優しき愛なんかで墜ちてしまった幽香は照れてしまったのか随分と少女の隣に居辛そうにしていたが、開き直ってからはむしろべったり。「幽香...
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった

第二十七話 私に降って

人はかすがいを増やすことで安堵する生き物である。友達家族に、上司に部下に好きな相手に嫌いな相手。または先生など。そのような比較対象を近場に置くことで確かに地に足を付けて歩めるのが人間という存在。生半可に切ったところで付いてくる、ありとあらゆ...
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった

第二十六話 消えずに燃えて

歴史とは足跡であり、それを失くした者に信頼などそう得られるものではない。そんなのは、上白沢慧音は新しく歴史を始めてからこの方ずっと痛感していたことだ。だからこそ、これからを歩み続けなければならないのだけれども、彼女は凍える今夜を人知れず逃げ...
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった

第二十五話 貴女のために

妖怪とは、陰陽思想で言うところの陰である。そして、陽の存在に人間を当てはめるとするならば、幻想郷は果たして外の世界よりも明らかにくっきりと影深い地であるのかもしれなかった。傷病老死、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦。四苦八苦に塗れた人...
それでも私は走る

水無月の空に啼いた

――――がここのところ空元気でずっといることなんて、エルコンドルパサーは当然気付いていた。存外彼女は役者であるようだけれども、しかしエルコンドルパサーとて仮面を被る者である。一枚の奥の少々臆病な内心から覗いてみると――――の笑顔は以前と比べ...
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった

第二十四話 幻想にもあり得ては

竹林の迷いは永遠へと繋がる。露わになったのはそんな詩歌のような幻想の体現。迷いの竹林の中に佇む永遠亭は古式ゆかしい和風建築の趣であるが、一体それが何時何処の流行りのものであったのかは判然としない。よくよく見れば灼けず錆びずにその材の真新しさ...
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