茶蕎麦

スポンサーリンク
マイナスから目指すトップアイドル

第一話 地獄に落ちてしまったとしても

ぎゃあぎゃあとカラスが大いに鳴いた、それは、昏い、昏い一日の終りのことだった。 今より十六年と少し前。町田家に、とある赤子が生まれた。性別は、女である。そして、何より彼女の属性は。 「うあぁ」 「なっ!」 地獄だった。 最初から開いていたそ...
マイナスから目指すトップアイドル

マイナスから目指すトップアイドル・目次

地獄の蓋として生まれた少女。彼女は瞳の奥に地獄を映してしまうために、目を隠して生きています。 ですがそんな彼女、町田百合には夢がありました。それは、トップアイドルになること。 ――悪こそ、この世のあらゆる善の番。
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった

第十九話 私と同じ

博麗霊夢には、親はない。 いや、正確には棄てた産みの親に育てた先代の巫女が居る筈なのだが、それらを彼女は親と見做していなかった。 顔も名前も知らない覚えていないそんな実父母は勿論のこと、没する前まで確かに衣食住を用意してくれいただろう先代の...
うつくしさ極振りのアイドル生活

去話 終わりの音色

生きるということは、ただ意識があるだけの状態ではないと小さな頃の朝茶子は思っていた。 生は推移であり、変化と反復を交えた動きの総称だと幼き少女は考えていたのである。 つまるところ、朝茶子にとっては世界の多動が生々しいものに映るのだった。太陽...
うつくしさ極振りのアイドル生活

閑話 最強と

〇〇〇〇は目立つことが好きだ。それは、以前までそうあることが通常だったからだったかもしれない。 だが、荷物運びで際立つことに慣れて、そして駆けっこで一番を続けることにも飽いて、やがて彼女は当たり前の勝利をつまらなく思うようになる。 なにせ、...
うつくしさ極振りのアイドル生活

第十二話 たり前ですよぉ

今より十六年と少し前。町田家に、とある赤子が生まれた。性別は、女である。そして、何より彼女の属性は。 地獄だった。 その瞳は、窮まっている。腐りを過ぎて終わっていて、更には死んだ後の何かだった。そして、残酷にも、幸せな未来などそこには映って...
うつくしさ極振りのアイドル生活

第十一話 一人ぼっちは寂しぃ

あたしは片桐朝茶子。今日はお歌をうたうよ。 そう、さっきからあたしはなんだか趣味の入ってる狭いスポーツカーの車にゆうちゃん社長とまこさんと一緒に乗ってスタジオに向かってるんだ。 それも、歌を録音するために。いや、知らない間に作詞作曲してもら...
うつくしさ極振りのアイドル生活

第十話 哀れむな

「朝茶子様、おはようございます」 佐々木夕月にとって、朝に片桐朝茶子に挨拶をするのはとても大切なことである。 そもそも、人間関係に言葉をかけることは大事であるが、それより何より朝茶子は忘れっぽい。 少し気にしている程度の相手なんて翌日の記憶...
うつくしさ極振りのアイドル生活

第九話 好きですよ

あたしは片桐朝茶子。高校2年生の女の子だよ。 そんなあたしは朝早くからすいすいと車に乗っかったまま通学してる。学校向かうのは慣れたけれど、でも自分の足で通学出来ないってのは面白くないね。 まあ、お父さんお母さんの方針ってやつだからこれも仕方...
うつくしさ極振りのアイドル生活

第八話 地獄の蓋

「はぁ、めんどいですけど、仕方ないですねぇ」 日差しまだまだ暑いに足りない淡さの中。しかし天から降りてきたそれらが自分に沁みるのを嫌がる少女は、日傘を差す。 それがふりふり黒レースと白いラインに覆われているのは彼女の趣味だろうか。暗がりの衣...
スポンサーリンク