茶蕎麦

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救えない魔法少女

第六話 乗算

新島の誕生。それは初期の報道では日本近海にて海底火山の活発化、地盤の隆起等の複数の発生要因が奇跡的に重なったことで出来た火山島とされていた。名前の用意もなくひと月の短期で海上に突出したその地は、しばらく紅く燃え続けて範囲を広げた後に黒く治ま...
救えない魔法少女

第五話 母性

実のところ、子供のオレに科せられた義務などそうはない。サンプルとしての血液の採取の必要と基本的に用意された家から出ないという契約は交わしている。すると、オレが魔法少女の世間への理解と埼東ゆきという少女の価値を認めて貰うために、見識深い教授へ...
救えない魔法少女

第四話 欺瞞

オレの魔法を求める人は、過去沢山いたのは違いない。死から遠ざけることを得意とするそれを、オレも半ば無秩序に与え続けて、日々の終わりはぐったりしてた時期もあったのだ。だが、まあオレから伝染して魔法を得た少女たちが起こした問題が社会を揺るがして...
救えない魔法少女

第三話 最優

『いたいのいたいの飛んでいけ』オレが初めて、つまりそれこそこの世界で初めて魔法を使ったのは友達の傷の手当てからだ。それは今思うと酷く単純で効果の弱いもの。膝小僧を擦りむいたお転婆な女の子の膝にいたいのいたいの飛んでいけ、と昔してもらった大人...
救えない魔法少女

第二話 感染

「ふぅ」子供には広すぎる部屋を出れば、更に空虚なまでに長い廊下。飾り気も人気もなくただ清潔にばかり保たれたそれは決して好みではない。むしろオレには静けさが、最早耳に痛いくらいだ。だが、オレという魔法少女はいっそ辟易する程人から隔離されなけれ...
救えない魔法少女

第一話 夢見

『……まだ、まだっ』これが夢だと分かるのは、世界の中心が《《オレ》》ではなく彼女であるからだろう。懐かしき高い視点、視界の端に映る大ぶりな身体的特徴。それがひらひらした衣類をまとっているからには、これがオレと違うと判断するのは自然だった。ま...
救えない魔法少女

救えない魔法少女・目次

<最古の魔法使い>こと転生TS魔法少女埼東ゆきちゃんが、<最強の魔法使い>こと異世界の本来の埼東ゆきさんに出会い、大変に粘着されるお話です。魔法を伝染させた原初の魔法少女と、世界を救えなかった最強の魔法少女が揃った時、世界はどうなるのでしょうか?
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった

第三十三話 友達なんだ

時知らず向き合う、サンライトイエロー。向日葵とは太陽の花。そんなの多くが自然に持つ認識であるからには、ここ幻想に至ってしまえばその結びつきは尚強まる。「っ」「辛そうね」そう、ただの向日葵の妖精でしかなかった筈の幽香はひたすらに勝ち続けること...
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった

第三十二話 素敵な一日

氷の妖精チルノにとって、住まう湖の周囲の霧の色が変わろうとも大したことでなかった。自然の権化である多くの妖精は変化を気にするものだが、永遠の氷華である彼女には背景色の変化程度で怖じる心なんてない。故に此度の紅霧異変においても、遊び呆けるため...
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった

第三十一話 背中を一目見て

空を見れば、ひたすらに青いばかり。明瞭な快晴に曇りなどどこにもない。しかし、地べたのありとあらゆるものが、不可思議な霧の赤さに染まってしまえば、見渡す限りの蒼穹すら大変にくすむ。多くが美しき天辺を見上げることなく、現の異常事態にてんやわんや...
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