救えない魔法少女 第十二話 魔物 さて、オレは罪から逃げると決めた。皆を魔法少女にしたってのは、どうしようもないくらい悪いことだ。不可抗力、なんて言葉は救いにならない。オレは最悪死ぬほど酷い目に遭った大勢のために、同じくらいに酷い目に遭うべきだとは思う。「まあ、オレってそん... 2025.04.17 救えない魔法少女
それでも私は走る ワガママなの 「ふぅ……」灼熱が、己の中で燃える。走る者たちは夏を大体嫌うもの。辛いは耐えられても熱を堪えるのは難しいから、それも当然なのだろう。「いい、感じっ!」だが、そんな当たり前なんて――――のように突飛なウマ娘には関係ない。踏み込みに視界が揺れる... 2025.04.15 それでも私は走る
救えない魔法少女 第十一話 謝罪 「あむ」何時だって、プラセボは甘いだけ。でも白くて粉っぽいそれをもぐもぐしながらオレは蚊帳の外できゃっきゃうふふを見る。自罰の他所で花は咲くもの。ちょっと両方とも大ぶりで華美な感じがあるが、まあ綺麗所が仲良くしてる。「へー。おっきいゆきちゃ... 2025.04.14 救えない魔法少女
救えない魔法少女 番外話② 樋口結 樋口結は、埼東ゆきの幼馴染みである。そして、ゆきに魔法少女を伝染された最初の被害者でもあり、政府公認の伝染なき魔法少女として俗に言うところの《《魔法少女パンデミック》》を防いだ英雄だった。「わたしなんて、怖いから他の子やっつけてただけなのに... 2025.04.12 救えない魔法少女
霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった 第三十四話 友情なんて 青が黒に至る隙間の時間。夕に焼ける黄昏に、赤は存外溶けない。そんなことを、一人博麗霊夢は知る。「趣味の悪い建物」思わず彼女が発したそれは、眼前に鎮座する紅魔館を目撃した大多数の感想の代弁。赤に朱に、紅。建物に塗布するには赫々と燃える炎のよう... 2025.04.12 霊夢に博麗を継がせたら無視されるようになった
救えない魔法少女 第十話 差異 色々と悩み尽きない身分であるが、それでも時が経てばさざ波治まるのは自然の理。自分が何だかは正直よく分からないが、それはそれとしてオレは居候をするのだと言い張る家なき娘である【埼東ゆき】をひとまず案内することにした。「ここが書斎だ」「わあっ、... 2025.04.11 救えない魔法少女
救えない魔法少女 第九話 自他 「むぅ……」どうも寝心地が、悪い。オレはそこそこ鬱なので身体に余計な緊張が走りがちでその分疲れやすくはあるが、流石に寝るときくらいはマシだったのに。むしろ、全体に圧すら感じる動けなさがある。おまけになんか暑苦しい。布団の柔らかな拘束とは明ら... 2025.04.10 救えない魔法少女
救えない魔法少女 第八話 代入 この世はプラスの生き物ばかり。何だかんだ互いに文句ばっかつけてるが、どんなものだって結局生み出して、創って壊してそんなのばっかって意外と輝きを帯びた素敵達なのだ。しかし、プラスの反対のマイナスだってひょっとしたらどこかにあるのかもなって、オ... 2025.04.09 救えない魔法少女
救えない魔法少女 第七話 犠牲 魔法とは、過程を乗り越えて道理を欺瞞することで望ましき結果ばかりを得る、願いだ。全ては意思を超えた己に対する祈祷によって顕現する。オレから端を発した力は何時しか魔法と名付けられ、遍く全ての教えに対する反逆だと、宗教を含む様々な学者達から大い... 2025.04.08 救えない魔法少女
救えない魔法少女 番外話① マーガレット・モア マーガレット・モアはイギリス、コッツウォルズの田舎町に生まれた少女である。湖水地方の丘陵地帯。旧さに止まった村々にて、庭にしばしば現れるウサギやハリネズミを見つける度に笑顔で追い回していた、そんな自然に馴染んだ箱入り娘。大好きな父が撫でるに... 2025.04.07 救えない魔法少女