茶蕎麦

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霧雨魔梨沙の幻想郷

第十九話

その姿を最初に発見したのは、当然のことながら、門番をしている紅美鈴であった。穏行もしていない人影を見逃すほど彼女は暢気ではなく、むしろ門番として優秀な方である。 しかし、美鈴は焦らず、むしろ迎えるために門から一歩前へと進んだ。空を飛んで、何...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十八話

何かがおかしいと、気づいたのは何時の頃だっただろう。そもそも、最初からどこかおかしかったのかもしれない。何しろ、下戸のあたしが、宴会の主催を引き受けたことからして、変といえばそうだった。 もっとも、他に先導するようなメンバーが居なかったから...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十七話

所は白玉楼に向かう階段。そこで八雲紫と博麗霊夢は向かい合っていた。いや、ただ二人は対面している訳ではない。その間には、無数の弾幕が行き交い、こと紫の張る弾幕は密に二人の隙間を支配している。 桜舞い散る中で、紫の弾幕は水色に緑色の小さなクナイ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十六話

アリス・マーガトロイドは緊張していた。それは、今日魔梨沙が来るからというそれだけの理由ではなく、自身に不備があるかどうか恐れているというだけでもない。両方が混ざって、アリスは混乱しているのだった。 着用している洋服のこのひらひらしたフリルが...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十五話

じゃり、じゃりと箒が土を撫でる音がする。それは一つではない。あまり元気のない音色のものも含めて、合計五つ。そんな、地道な清掃の音が、白玉楼に響いていた。 それは、異変を起した二人と、解決をしに来た三人が、共になってとても大きな桜から散った花...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十四話

その殆どを開かせた桜の樹は、花びらを散らせながら大いに咲き誇る。元々大きなその威容は桜色に埋まることでより迫力を増しているようだった。 いや、実際にその幹に篭められた力は薄くなった結界を越えて広がり始めている。封印のその殆どを解かれてしまっ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十三話

今年の冬は、酷く疲れるものであったと、銀髪のボブカットが特徴的な二刀を持つ庭師、魂魄妖夢は思う。 春度を持ってやって来た紅白の巫女に負け、弾幕ごっこでもう二度目の撃墜を味わいながら、薄れる意識の中彼女は一連の流れを振り返った。 妖夢は幻想郷...
小説関係

【小説】茶蕎麦が考える最低限の小説の書き『はじめ』方

小説を書くというその最初の一歩を踏み出す部分までをお助けするために書いた文章となります。 得意不得意はやらずには分かりません。そして楽しいかどうかだって、体験なくては判断しにくいもの。 一度身軽に取り敢えず書いてみて欲しいと思う筆者の、あなたの背中を押すための記事です。
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十二話

十六夜咲夜にとって、霧雨魔梨沙との関係は、ただの知り合いでしかない。いや、ただのというには複雑ではあるが、それでも個人の付き合いとしては決して深いものでないのは間違いなかった。 自身の主人であるレミリアいわく、フランドールの運命を変えてくれ...
霧雨魔梨沙の幻想郷

第十一話

アリス・マーガトロイドは、魔界生まれで幻想郷在住の魔法使いである。そして、何より彼女が訪れる人里その他の場所では人形遣いとして有名であった。 何しろ、アリスは普段から日常的に幾多の人形を操り、それに身の回りの世話をさせたり、戦わせてみたり、...
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