2023-11

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幽香さん、優しくしてみる

第十四話 孤独な太陽に優しくしてみた

東風谷早苗は、考える。異変。数多の神霊のようなものに溢れた空を見て、しかし彼女は眼鏡をくいと上げ、焦ることなく少し足止まった。 「これは、神霊……?」 早苗が人里にて布教の一部という名目で行い始めた寺子屋での歴史講義の最中、厩戸皇子のお話を...
幽香さん、優しくしてみる

第十三話 古の怨霊に優しくしてみた

霍青娥は、千数百年以上前から邪仙、つまり仙人として生きている女性である。修行こそ人を仙人足らしめているものであり、それほど永く研鑽を積み続けた彼女の力は幻想郷の数多の存在と比べても高みに位置するものとなっていた。 既に神仙の域に到達している...
幽香さん、優しくしてみる

第十二話 仙人に優しくしてみた

実のところ、風見幽香は臆病者なのではないかと、博麗霊夢は思っていた。 変化を求めぬ自然の具現。幻想郷の秩序に重く座す、そんな姿は並大抵の人妖には威厳溢れるように映るのかもしれない。 だがしかし、それと反するかのように嗜虐的に全てと触れ合わん...
幽香さん、優しくしてみる

第十一話 箱の猫に優しくしてみた

風見幽香は能力というものに対しての興味がからっきしない。一部に注目するより全体を見る。それが相手を計るのに間違いのない方法だと考えているからだ。 だから、紅魔館の奥に潜む子猫が破壊の吸血鬼と呼ばれていることは知っていても、それがどれだけ理不...
幽香さん、優しくしてみる

第十話 虹色の門番に優しくしてみた

「ぐぅ……」 春麗らか。そよぐ風薫り、朗らかに降り注ぐ日差しは身体を程よく温める。そんな、春の美点を集めたような空の下。霧の湖の畔の紅魔館、その門前にて横になって寛いでいる妖怪が一人。 緑色のチャイナ服をベースに洋服へと改造したかのような衣...
幽香さん、優しくしてみる

第九話 魔法使いの尼さんに優しくしてみた

高く、そして常の青から色変わった空の上。濃い赤色にその身を踊らせ、その身の二色の内白色をよく浮かび上がらせているのは、博麗霊夢。 移動中の聖輦船に乗り込んだことで知らず知らずの内に魔界まで連れて来られてしまった霊夢は、やっとこの事態がただの...
幽香さん、優しくしてみる

第八話 虎柄な毘沙門天に優しくしてみた

「なるほど、つまり幽香、貴女は封印を解けない、ではなく解かない。しかし、道中の安全確保はしてくれる、と」 「私の開封は何時だって力技。加減を損ねて下手をしたら中身ごと潰しかねないというのは拙いでしょう。だから、私に出来る残ったことはそれまで...
幽香さん、優しくしてみる

第七話 ダウザーな鼠に優しくしてみた

「ご主人……私は少し拙いことを知ってしまったのかもしれない」 「これは唐突に……何ですか?」 満点の星空の下にて、クビキリギスの鳴き声響くそんな夜更け。無縁塚近くにある小さな掘っ立て小屋。畳張りのその中にて、寛ぐ妖怪が二人あった。 一人、家...
幽香さん、優しくしてみる

第六話 七色の人形遣いと九尾の式に優しくしてみた

「幽香。魔理沙が貴女に虐められたって、騒いでいたわよ。一時は自然のこととして聞き流そうとしたけれど、出来なかったわ。貴女、どうにも随分と趣向を変えて嫌がらせしたみたいね」 「嫌がらせ、とは少し違うのだけれど」 あいにくの花曇り。しかし、日当...
幽香さん、優しくしてみる

第五話 蛍の妖怪に優しくしてみた

リグル・ナイトバグは蟲の妖怪であり、更に言えば、蛍の妖怪である。 幽香と同じ緑髪で、幻想郷の少女には珍しいパンツルックであるという特徴も目を引くところであるが、その存在の大本が虫というところが、実は一等珍しい部分だった。 虫の妖怪、というの...
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