木工旋盤、或いはウッドターニングという言葉を聞いたことがある人はどれだけいらっしゃるのでしょう?
自分は、正直なところ大人になるまで知りませんでした。
そして、知ってからも自分では到底出来るわけがないと尻込みしていたのです。
これはよいことではありません。
しかし木工旋盤で出来る器や小物の綺麗な姿をひとたび見てしまえばそこに込められた技術に畏敬を抱いてしまうのもこれは仕方のないことでしょう。
だって、木がツルツルで、丸いのです。
それが専用のろくろを使ったものとはいえ木を手作業で整形するなんて、どれだけ難しいのでしょうか。
そう考えていたところ、とある知り合いの方からやってみないか、という誘いが。
こわごわ、自分はバイト(刃)を使って木に触れてみました。すると、意外な感想が次々に湧いてきたのです。
ありがちな疑問に答えるという形で、その内容を紹介しますね。
木工旋盤ってなに?
簡単に言うと、普通は真っ直ぐでそれを活かした造りをされることが殆どの木にカーブを生むための、回る機械のことです。
回る木に刃を当てて形を削り出すのが、基本となるでしょうか。
木工旋盤で行う一連の作業はウッドターニングと呼ばれているようですね。
旋盤により、木の外側を丸くしたり。
内側をくり抜いてみたり。と色々な形を作ることが出来ます。
木を使った物作りの際には釘やビスを使うとどうしても考えがちですが、ウッドターニングではあまり使用しません。
それを思うと、こうして作ったものは安全で、こどもの玩具とかにも良さそうですね!
どういうものが出来るのかな?
木皿が一般的で、一番簡単かもしれませんね。
自分も最初はそれを作らせていただきました。
少し上達したところで鍋やフライパンもやってみましたね。一気に難易度が上がりますが、達成感はとてもありました。
変わり種だと、直方体の材木から楕円の卵を削りだす、なんてこともやってみましたね。
木目が活きていて、形よりずっと軽い。そんな諸々を生み出すのはどれもこれもが、新鮮な体験でした。
訳あって完成写真をご提示することは出来ないのですが、どれもこれも頑張ればつるつるぴかぴかのものが出来ますよ!
難しくはないの?
初心者としての意見ですが、意外と難しくはありませんでした。
いや、バイト(刃)を旋盤の回転に負けないように押しつけ続けるのに相当な力がいるとか、
直ぐに最低ミリ単位の調整が要求されだすとか、やりだすと大変なことは間違いありません。
けれども、自分は何だかんだ出来ました。才能ないよね、と言われながらもなんとか。
集中力と体力が要る作業でしたが、大体をこなせるようになったのはそれは面白かったから、ですね。
無傷の木を自分の思った形に美しく傷つけて整形していくというのは想像以上に興味深い体験です。
難易度は高くとも、それを乗り越えるに難しくないくらいには、夢中になれるものだと自分は考えているのですね。
出来れば皆様は、誰か先生を見つけてやり方を教えていただくことが出来たら幸いに思います。
危なくないの?
はい。ものすごく、という訳ではないのかもしれませんが相当に危険です。
しかしそれはひとたび気を抜いてしまえば、の話ですが。
刃物を持って、それを回転する物体にぶつける。どう考えても普通であれば弾き返されてしまうでしょう。
それを切れ味や力技でどうにかして、技術で整形するのがウッドターニングです。
はい、つまり相当な無理が木にも身体にもかかるのですね。
何度か近寄りすぎて指先をぶつけてしまったこともありますし、旋盤に木をしっかり固定することを怠り、木鍋を宙に舞わせてしまったことすらありました。
しかし、それらは総じて不注意が故のこと。
事故が起きない、とは言い切れませんが自分はそれなりの時間をやっても五体満足。
しっかりと向かい合っていれば、中々怪我をすることはないでしょう。
先達の方の注意を忘れずに、お気をつけて!
汚れない?
これは、申し訳ありませんがその通りですね。
作業場と旋盤をお借りしてやっていたのですが、まあ木くずの散らばること、散らばること。
作業中にマスクとゴーグルはぜひとも着けて欲しいところです。
あと、ひとたび作業をはじめましたら、掃除にかかる時間をお忘れなきよう。
くたくたになった後でげっそりと掃除を急いで行うようなことは、怪我の元ですし掃除はやはりきっちりと。
そういえば、ちょっと別の話になるかもしれませんが汚れ繋がりでいいますと、
作業前想像していたのと違い木材には虫が湧いていることは殆どなかったので、そういうのが嫌いな方でも木工は出来ると思います。
まとめ
木工旋盤、ウッドターニングは敷居が高いもの。
そう思われがちですが、意外にやってみると何とかなってしまうものです。
ただ、体力や集中力を著しく消耗したりするので、休憩を含めて余裕のある空いた時間にするのがベストかもしれません。
自分にも出来たのですから、きっと皆様にも楽しんで頂けるものだと思っています。
木に触れることを、皆様に少しでも親しんで欲しいものですね!
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