マイナスから目指すトップアイドル

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マイナスから目指すトップアイドル

第二十四話 綺麗なものを壊すのが

アイドル四天王というものが出来たのは、カシマレイコという天上に付き添うように高度化した少女たちをただのアイドルたちと纏めるのが不可能になった群集の心理に拠って撚られたためとされる。だがそんな緊急退避的な称号が今や四様の篩のよう。彼女らの何れ...
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第二十三話 とても、幸せだ

「♪」目隠し少女が歌った、踊った、微笑んだ。そればかりで華やぐのは、少女の実力が上等に至っているがため。何もかもが見かけばかりのハリボテでもいい筈のアイドルというものの中で、つま先からてっぺんまで基礎から何までしっかりと詰まった希少な本物。...
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番外話⑤ カシマレイコ

遠野幹彦は、カシマレイコを見いだした栄誉からマネージャーという名のままになっている彼女専属プロデューサーである。独立した後、社長業も行うというよく分からないことになっているが、それくらいに幹彦という男はカシマレイコというバケモノアイドルに愛...
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第二十二話 曲に負ける歌なんて

望遠鏡で空を覗いてみたところで神と視線が合わないように、人と神々とはあまりに遠すぎる。だが、アイドルという人界の賑やかしの中にのみ、それは確かに近くあると多くにされて崇められてすらいた。握手なんて以ての外。電子に載っかった顔と美声ばかりを聞...
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第二十一話 独りで唄ってない

実力を天にまで示した。そして、それは網によって地べたに広く拡散されていく。情報化社会においても遍く全てが、とはいかなくてもそれは少女が傑物であると世に知らしめるのには十分なもの。それくらいに、初ライブの映像はしばらく多方面に注目された。ダン...
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第二十話 いいわね

はじまりがあれば、終わりがあるのは自然。また、その間隙に全力が賭されていたならば、そう長い間続くものではない。町田百合の記念すべき初ライブは、駅前に熱狂をもたらしながら一時間足らずで彼女のばいばいと共に終わった。虜となった聴衆に背を向け、ツ...
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第十九話 水面の愛

都内まで電車で30分もかからないという交通の便の良さから、百合の住んでいる見原市はベッドタウンとして有名だ。そもそも県内でも人口が多い方である上、路線が一番多い見原市駅の付近となると夜中まで人通りが絶えることもない。そして大安吉日、晴れに晴...
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第十八話 壊して

七坂舞という少女は、不良である。生きることは怠くって、とてもつまらないものだと生きるうちに彼女は思い知っていた。親には孝行しようとも疎まれて、人には良くしようとも裏切られる。泣こうが喚こうが、どうしたって自分は底辺から抜け出すこと叶わない。...
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第十七話 憧れ

「ふわぁ」町田百合はこの頃ようやく中学二年生を終えるところ。これから春休みを過ごし三年生に上がってから直ぐにアイドルとして己を売り出していく予定である。雪が溶けて花が咲く。そんなことはとある島の雪国の当たり前なのかもしれないが、実のところ凍...
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第十六話 世界を変えちゃうかも

高遠稲は、芸能事務所として老舗の域に入っている中堅どころ、オーキッドプロダクションのアイドルである。子役として事務所入りしてから、カシマレイコに憧れてアイドルの道へ進んだ彼女。今は亡きお婆ちゃんから貰った名前に芸名を被せることなく大切にして...
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