自分は、二次創作小説が大好きです。
読むのが好きから入り、書くことに手を出して次第にそれにハマりました。
そう、二次創作の知っているからこそ目新しいお話を読むのも面白いですが、
それを自分で書いてみるのもまた楽しく感じられるものでしょう。
好きなお話から別の可能性を見出すのは素晴らしい体験です。
自分が入れ込んだオリジナル要素が波紋のように変化を生むのを楽しむのも乙なものですね。
また原作キャラクターの別側面の想像が違和感なく働き出した時など感動すら覚えるものです。
やがてそのうちに、物語を動かすという根っこの面白さに気づくようになるでしょう。
オリジナルでなく二次創作からものを書くのをはじめたがために自分が未だに書くのを続けられている、というのは過言ではありません。
ちなみに二次創作は作者様の黙認によって成り立っているようなところがありますが、
東方Projectのように、原作者がガイドラインを出して公認なさっているようなジャンルもあります。
しかし黙認でも公認でも、その寛容さは、なんとありがたいことか。
どんなジャンルで書いてみるにせよ、原作者への敬意だけは忘れないようにしたいところですね。
何故、余計なことをしたくなってしまうのか
原作はそれだけで完結した一つの作品です。
たとえ物足りなく感じても、一から出来上げられた立派なもの。
そこに、別の登場人物や違う展開に勝手な説明を入れるのは、余計なこととすら言えるでしょう。
しかし、そんな余計を時に人は楽しみますし、自分に至っては好んでいます。
それは、物語を派生させていく面白みが、好きを活かすことに通じているからかもしれません。
新しいものを人は好みます。そうしていながら、どこか愛着から離れがたい一面もあるのですね。
好きな人の新しい一面を見るとどきっとする、なんてよく言われますよね。
安心の中での刺激こそ、意外な好まれ方をするものです。
その両方を満たすことの出来るのが、好きなキャラクター達のおなじみの世界で新しいことが起きる二次創作。
書き込まれた新要素に対する新反応はあたかもキャラクターたちが自分の書いた文章の中で生きているかのような感覚にまでさせてくれます。
好きだからこそ、それは楽しいのですね。
勿論、嫌いだからこそ……という場合もあると自分は知ってもいます。
けれども、自分の中での二次創作の楽しみは、好きが借りた世界であっても楽しくしているのが嬉しいから、に尽きるのでした。
原作というテンプレート
よほど、読み込んでいたり観続けていたりしなければ、二次創作なんて書けないものです。
しかし、それでも詳しくは後述しますが、一次創作を始めるよりは簡単と言えばその通りかもしれません。
何しろ既存の世界や人物を大事にすることが出来に繋がりやすいジャンルでもあるのですから。
もっとも、難しいからオリジナリティに染め過ぎずにおく、という理由も確かにあるのでしょう。
二次創作において、原作のほとんど全てを変えてしまうような例は少ないものです。
大体は、展開や人を変えるくらい。住む世界を切り替えたとしても、既知のものであることが多いです。
それはしかし、或いは原作というテンプレートの面白さを損なわないための皆様の考えもあるのではないでしょうか。
原作がつまらないから書いた、という人も居るでしょう。
しかし、楽しいからこんなことを思いついた、という場合だって数多いのです。
何しろ、好きを表すのは楽しいものですから!
世界を愛しているからこそ、それを壊さない範囲で楽しみを生み出すという、制限。
そんな中で四苦八苦するのも大変面白い経験なのです。
ちなみに原作未経験で書く、なんていう方もいらっしゃいますが、それは原作という比較対象が確りと頭に入っている方ばかりが閲覧者である二次創作。
よほど自分の知識に自信がない限りは、比べられて違いを突かれるのがオチでしょう。
やってみても構いませんが、自分はあまりオススメしません。
きっと界隈の熱気に惹かれたのでしょうが、中途半端に触れるのはやはりやけどの元ですし。
世界を作るというのは大変な重労働
これはオリジナル、ことさらファンタジー世界を書きはじめて痛感したのですが、兎に角世界を書くというのは難しい。
説得力というのは、空からは生まれません。比較と勉強によって、何もないは次第に充填されていきます。
やがて生まれる全てには愛着が沸き嬉しいものですが、そこまで行くのは中々に苦でした。
そんな重労働から逃げて、よくあるパターンと呼ばれるものに縋る。それも悪くはないでしょう。
そして、原作という明確に提示された世界がある二次創作というものは、その最たるものかもしれません。
書けないから、二次創作で書いてみる。それもアリだと自分は思います。
二次で練習して長じていって、一次創作小説で有名になった方だっているのですから。
ただ、当然二次創作というのは踏み台ではありません。楽のためだけに、描くのではないのです。
実際やってみると人の心の動きだけでも不自然にしないようにするのは大変でした。
キャラクターを大事にする、というのは原作キャラクターを崩さないように動かす苦労から得られたような気がします。
ただそんな中で、世界が既にあるというのは酷く安心できる要素でした。
原作者様方の努力をお借りする、その大事さを自分はそうやって理解してきたつもりです。
原作が大好きなんだ!
他の方はどうだかは、正直なところ不明です。
或いは原作が嫌いで書いている方だって恐らくは多数存在するでしょう。
しかし、自分にとって二次創作を書く理由は結局の所そこに収まるのですね。
好きだから書く、それはシンプルが故に強い根幹となります。
だからきっと自分は、これからも好きを形にしたくなり続けるのでしょうね。
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