私は彼女の魔嬢(まじかるすてっき)

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私は彼女の魔嬢(まじかるすてっき)

最終話 私は彼女の魔嬢(まじかるすてっき)

最終話 私は彼女の魔嬢(まじかるすてっき) 光降る。そんな見出しの記事が出たそうだ。 それは私達の創ったひまわりを形容したものであり、唐突に現れた、世界の全てを覆う怪物が消えた後。見えなくなってしまったと思っていた太陽が再び顕れてくれたこと...
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第十六話 日廻

第十六話 日廻 青は空高く、茜は未だ早く、闇は遠すぎた。そんな遙かな空と地の間隙を埋めているのは、多色の流動、魔物の生。隆起し、膨らんだその形はいかにも肥満体のグロテスク。主に全体が丸に近くなってしまっては、どんな生き物の似姿も見て取ること...
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第十五話 楠川

第十五話 楠川 真昼に生じた空の洞からは、それは、高みから落ち込む、薬剤。いいや、青い彼の言い方だと、漢方が近くあるだろうか。その色は、空を映さず、青くない。むしろ、聞き及ぶばかりの黄昏の紅にも夜の黒色にもそれは似通っていないようだった。 ...
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第十四話 青色

第十四話 青色 目の前にあるのは、深い青。藍に留まらず、しかし紫とも行かず、水色とはとても呼べない重みのそれ。ぬるりと表面を流れたその色は、瞳の上だけで支配を示した。 私が見えない天上の、あるいはそれは空の色だったのか。彼方から彼を乗っ取っ...
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第十三話 歪形

第十三話 歪形 私は、恋を知らない。愛は、多分見知ったものと思うのだけれど。そう、今まで私の好きは、どうしても恋愛に届くことはなかった。 異性。私は彼らをあまりに知らない。お父さんにお兄さんだってよく分からないというのに、それより離れた他人...
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番外話四 アリスの白い恋

番外話四 アリスの白い恋 大須の本家は、化け物の集まり。 決して悪口ではないそんな事実を知るものは、そう多くはない。瀞谷町でも、その地に深く根付いた家々、中でも縁ある分家で同類の楠川家においてしか、そんな伝承は最早真面目に語られてはいなかっ...
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第十二話 寂寥

第十二話 寂寥 別離は、どうしようもないことだ。足掻いて足掻いて、無理なもの。寿命も機会も、全ては時間に必ず喪われる。だから、終わっている彼女を生き永らえさせたのは、間違いであるのだけれど、それで良かったとも思う。誤って、苦しくても生きたい...
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第十一話 赫怒

第十一話 赫怒 私はその時、生まれて初めて、星を見た。抱き締めたくなるくらいに小さく、儚い、しかし巨いなる全て。青黒いキャンバスに眩い点描。夜空に光る、数多。更に、何よりも綺麗な一等星を。不可思議なほど近くに見えたその閃光は、とても美しく輝...
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番外話三 龍夫の死闘

番外話三 龍夫の死闘 大須龍夫は、人として外れている大須家の中で、唯一人として優れた人間だった。 往々にして理解できないものに通じている家族。そのなかで龍夫だけは、人に通じていたのである。 しかし、龍夫は抜群で、度が過ぎた。人知れずよく分か...
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第十話 魔者・後

第十話 魔者・後 「は、何言ってるか解んないが、どうにも既知のご様子だ。なら、こいつは……元人間の、さしずめ魔者といったところか。俺の記憶にはないが、滴の知り合いだったりするのか?」 「……うん。きっと、襲●さん。私のお友達」 「あはは。嬉...
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