オリジナル小説

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勘違い吸血鬼ばかさねちゃん

番外話① 愛することは、簡単なようで難しい

愛することは、簡単なようで難しい。心のままに素直にぶつかるというのは、どうしたって恥ずかしくなってしまうもの。薄皮一枚すらない真心は、傷つきやすくって仕方ないから。『光彦! オレ、お前のこと好きだぞー!』『また唐突だね……そもそも、好きとか...
勘違い吸血鬼ばかさねちゃん

第十話 本当ってなんですかい?

眼前に赤が、飛び散る。オレは赤がキライだ。それは当然だろう、自分の死の際に嫌というほど目に入れてしまったものなのだから。赤は停止、終わりの色。オレは思い出す、赤い血の海に沈んだ前世の《《自分の姿》》を。『ふふふ』そしてどうしてだか唐突に場面...
勘違い吸血鬼ばかさねちゃん

第九話 本気ってなんですかい?

右手左手を交互に突き出し、わんつー、わんつー。さて。オレは実は意外な程に、人をぶったりけったりしたことなんてなかったりする。いや、だって相手が痛いとか嫌だし、手なんて出さなくたってどうとでもなること沢山あるしさ。もっとも、ばかさねちゃんだっ...
勘違い吸血鬼ばかさねちゃん

第八話 マトモってなんですかい?

「あ、カレー食べたいデス!」「ふぅん。唐突に中々面白いヤツだな! 後で一杯おごってやるか」「えっと、ちょっと面白すぎない? さっきまでジェーンちゃんが覗き見てたコンクリ練ってDIYしてる人、びっくりしてるよ? それに重ちゃん。カレーは飲み物...
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第七話 日本語ってなんですかい?

白河邸にはプロテインが存在しない。それは光彦の身体の隆々ぶりを見るに、恐るべきことだった。オレはてっきり、お高いプロテインを泥棒の魔の手から逃れさせるためにどこかにひそひそ隠しているものだと思っていたが、それは違う。昔エロ本隠してたベッドの...
勘違い吸血鬼ばかさねちゃん

第六話 芸術ってなんですかい?

オレは、これでも絵が得意だ。何しろ、目の前にあるものを描くなら、オレの頭の中の景色をそのまま写せば良い。そういえば、前世だとその能力を買われて、光彦に格闘キャラのパンチラドットを描かされたこともあったな。今思い出してもドン引きだ。まあ、そん...
勘違い吸血鬼ばかさねちゃん

第五話 スープってなんですかい?

オレは基本的にお金をあんまり持っていない。理由のひとつとしてそれは、使わないからだ。お年玉とかあんまりいらんからそのまま渡す度によくお母には金かからない子だね、と言われるが、いや、使わないのをただ持ち歩いててもなあ。紙幣とか軽すぎてオレの筋...
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第四話 馬鹿ってなんですかい?

「むぅ」お日様キラキラ輝く青空の下公園の広いグラウンドにて、オレは大っきな背中を追っかけ駆けていた。一等賞なんて飽きるほど獲ってきたオレだけど、人に先に行かれることなんて滅多に経験がない。Tシャツ一枚の下にもりもりとした筋肉の隆起が見受けら...
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第三話 催眠ってなんですかい?

「三番テーブル、天丼2!」「はい!」「カサネ、次はカウンター席にBセット持ってきなさい!」「ほいなっ」右手に丼ぶり二つ、そして左手におかず日替わり焼肉定食をお盆に持ってオレは指示通りに店内をすたすた。満席の合間を縫って、飯を運ぶ。まあ、要は...
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第二話 好きってなんですかい?

「じゃあな、ばかさねー」「ばかさね君、気をつけて帰るんだよ」「ばかさねさん。今日は体育の時間、どうもありがとうございました。それではまた明日」「おお。皆、またなー」部活に向かう準備をしている奴や、よく片隅でくっちゃべってる(どうやら毎日飽き...
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