自信を持って披露したものが、受けない。
無意味ではないから見てもらいたいのに、目にも留めて貰えない。
そんな経験がおありの方も、沢山いらっしゃると思います。当然のように、自分はそれを体験として豊富に持っていました。
そして、これは自分が個人で電子書籍を出版したところ、一冊も売れなかった(2020年1月現在)お話になります。
まことに残念なお話ですね。しかし、自分の不出来が誰かのためになればと、そう思って認めてみました。
無料で電子書籍として出版できる
一昔前とは違い、今現在は小説を電子書籍化するというのはそれほど難しいことではありません。
皆様も、もしかしたらAmazonのKindle等のサービスで誰それが電子書籍化させた作品を目にしたことがあるかもしれませんね。
そして、なんと電子書籍出版は今殆ど無料で出来るのです!
自分が書いたものが、あの名作らと対等にネットの本棚に並ぶ……そんなのはとても素敵な想像ですよね。
そして、無料で電子書籍を出版することが出来るウェブサービスサイトは選べるくらいには豊富です。
パブー様、BCCKS様、ブックウォーカー様、Amazon様、などなど。
自分はBCCKS様とパブー様の有料プラン等を利用してみたのですが、どちらであっても比較的簡単に出版することが出来ました。
その中で表紙のイラストを描いたり、文章をEPUB化させるのに少し手間取ったりと、自分は中々貴重な体験をさせて貰ったと思います。
頑張って必要を揃えてから、満を持しての出版。これは2018年の中頃のことでした。
そうして2020年の現在……今の所一冊も売れていません!
その理由は何か。少し考えてみます。
口が裂けてもいえないこと
自分がはじめての電子書籍化するのに選んだのは口が裂けてもいえないこと、というホラー小説でした。
当時、書いたオリジナルで他に完結しているものがなかったから、という事情もありますが自分にしては悪くない選択だったのではないでしょうか。
このブログにも上のリンクの場所に番外編以外は載せています。ご覧になって頂けたら、直ぐにその出来不出来が理解できるかもしれませんね。
この口が裂けてもいえないこと。内容が暗いというのは分かるのですが、しかしその内容が他人にとって面白いかどうかまでは判りません。
ホラーといっても血みどろではなく。悲惨と言うには少し虚しすぎる。更には他理解を放棄しているところが強い。
でも正直なところ、自分はこの物語が好きです。もっともそうでなくては、発表なんてできませんよね。
妖怪とも人とも取れない、怪人たちの悲哀を描いたこの作品はお気に入りなのです。
しかし、売れなかった。それは間違いありません。
自分が思うその理由をこれから書き出してみますね。
売れなかった理由
つまらないから。そう言い切ってしまえば楽なのでしょう。
拙作がいわゆる売れ線ではないジャンルであることや、文章に明るさがないことなど。その程度の瑕疵なんて面白さという価値の前では些細なことです。
つまり面白くなければ、それは売れはしないのでしょう。
しかし、余程の不明でなければ誰かのつまらないは、誰かの面白いになってもおかしくはないもの。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。以前感想で褒められたように、この世の誰かの好きに一つも突き刺さらない、というのは中々考えにくいことではあります。
と……机上論を挙げるのは正直に言いますと自分の下手くそ以外に理由を考えたいからですね。
責任転嫁、と言われても仕方がないかもしれません。
ですがそれでも小説の下手以外の自分の下手も確かにあったので、その部分も失敗理由として挙げてみますね。
①宣伝のなさ。
これは、個人の出版であるからには、往々として起きることではないでしょうか。
発表したはいいけれど、それを目立つようには中々出来ない。ウェブサービスサイトのトップに載せて頂けた時間も僅か。あれよあれよと言う間に埋もれてしまう。
Twitterにて紹介してみたけれど、焼け石に水。多くの方に見ていただくことは出来ませんでした。
なんらかの宣伝に成功して母数が多ければ気の迷いで買って頂ける人も居たのでは……そう思ってしまった自分を、強く責めることは未だに出来ていません。
②金額を設定してしまった。
金額を設定すると、その作品は価値に見合うものである必要があります。
自分が設定したのは100円から220円(確か220円はそのサイトでは最安設定でした)。
しかし、果たして自分の作品は百均のあの便利な商品の数々に魅力で勝っているのでしょうか。
ましてや、ジュース二本の爽快感と美味さに上手さで伯仲出来るようなものを書けていたのでしょうか。
そんな自問に答えを出せません。お金は、確かに尊く重いものです。
最初はただ、無料ならば投稿サイトで書いていた時と同じだから、として設定してみたのですがかもしたらそれは間違いだったのかもしれませんね。
③表紙が下手。
表紙は命。今更ですが、それは確かに思います。
きれいなイラスト、捻った写真。素晴らしい表紙には、それだけで人に本を手に取らせる魔力が宿っています。
そして自分も、本を買う時に表紙買いをしていたことだってあったはずなのです。
それなのに、自分はその大事な部分をケチって、当時の今よりも更に下手な絵心に託してしまったのでした。今ならココナラさん等イラストレーターさんにオーダーメイド出来るサイトなんて沢山ありますのにね。
それが、こちらとなります。
そう、ポーズのアイディア以外に褒めるところがない……こんなイラストを自分は最初に表紙に設定していました。(というかこうして見直してみるとホラーとは違う意味で怖いです……)
そして、再設定用にイラストを描き直してみたのです(再設定出来ないところもありました……)。それが先にもあったこちら。
先よりはマシ……ですかね。ただ、これでもまだまだ魅力には欠けていますし、下手でしょう。
そう、この下手さも不人気の理由に違いない、と勝手に自分は考えていたりします。
作品を客観視も出来ずに理由を他に考える……ダメダメですね、自分。まあそんな人でも書けるし発表も出来る、というのは見本材料となりうるのでしょうか。
まとめ
どうでしたでしょうか。反省にしては言い訳ばかり、と感じる方もいるかもしれません。
しかし、はっきりと、自分の小説が価値がないほど下手だったと認められればこんな記事を書きはしなかったのですが、未だに希望は失くなってくれません。
そして、小説内容以外にもあった自分の下手が誰かの参考になったりすればいいのに、という考えがあったのが、記事を書いたもう一つの理由でもあります。
どうかこれを読んで下さった皆様が、電子書籍の個人出版というものを知り、そうしていずれか成功しますように。
下手の屍なんて、簡単に乗り越えていって欲しい、そう願います。
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